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2005 Fiscal Year Annual Research Report

東欧・スラブ諸国における西洋古典学の継承と展開

Research Project

Project/Area Number 15520148
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

秋山 学  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (80231843)

Keywordsラテン語教育 / スラブ研究 / ギリシア・カトリック教会 / ビザンティン典礼 / 東方教会法 / ローマ化 / 古典の真なる継承 / ハンガリー語
Research Abstract

今年度は本科研究費期間の最終年度にあたり,まず2005年春にはハンガリーとクロアティアに滞在した.クロアティアは,他の中欧カトリック諸国と同様にラテン語教育の普及がめざましく、古典学関係出版物のレベルも総じて高い.またクロアティア語は,スラブ語としては表記が比較的簡明なほか,セルビア語とも字母が異なるだけであるため応用性に富み,南スラブ地域をスラブ研究の基点とすることには十分な妥当性がある.同年夏から翌年初旬にかけてはハンガリーに長期滞在し,同国ギリシア・カトリック教会の典礼を中心に実体験を積んだ.研究の基点としたのは東北部ニーレジハーザのアタナズ研究学院であり,10月に同学院にてハンガリー語での講演を依頼され,その講演内容が同研究所の紀要Athanasianaに掲載されることになったのは最大の研究成果である.ギリシア・カトリック教会は,正教会と同様のビザンティン典礼と東方教会法を墨守しつつ,ローマ教皇の首位権を認めるカトリック教会の一組織であり,中東欧域に根強い信仰を伝える.その現代世界への適応をめぐって地域により二つの派が認められ,それはローマ化を推進する方向(ハンガリー)と,原ビザンツ様式への復古を是とする方向(スロバキア,ウクライナなど)である.これは,異なる宗教間で「新約」的要因がいかに古来の「旧約」的要因を受容すべきかという姿勢をめぐり、たとえばわが国における仏教文化継承について考える際にも大いに参考となる.後者の場合,古典の真なる継承の上で「新約」的要因は,純化された完全に「霊的」な次元において不可欠であるという結論に達する.この間にハンガリー教父学協会にも入会し,同国の古代学・教父学研究の水準の高さを実感することができた.国際語としては普及度の低いハンガリー語を,研究公表のための言語として用い続けるハンガリー研究者たちの気概には,大いに啓発されるものがあった.

  • Research Products

    (7 results)

All 2006 2005

All Journal Article (6 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Gorog Patrologia Jelentosege es Lehetosege Japanban -oneletrajzi emlekirat-2006

    • Author(s)
      秋山 学
    • Journal Title

      Athanasiana 22

      Pages: 91-107

  • [Journal Article] 「三密」と「三位一体」-密教とビザンツ神学における「言葉」の位置と意義-2006

    • Author(s)
      秋山 学
    • Journal Title

      比較文化研究 2

  • [Journal Article] 研究動向 ハンガリーにおける教父学研究2006

    • Author(s)
      秋山 学
    • Journal Title

      中世思想研究 XLVIII

  • [Journal Article] ヘロドトスの「父性」-「東方予型論」の構築に向けて-2005

    • Author(s)
      秋山 学
    • Journal Title

      文藝言語研究 文藝篇 48

      Pages: 1-19

  • [Journal Article] 「コルヴィナ文庫」から聖イシュトヴァーンへ-ハンガリーの歴史を遡る旅-2005

    • Author(s)
      秋山 学
    • Journal Title

      つくばね 31.2

      Pages: 1-2

  • [Journal Article] _"A nevtelen zarandok...?"2005

    • Author(s)
      秋山 学
    • Journal Title

      Elet es Vilagossag XVII.1

      Pages: 17-18

  • [Book] 城生佰太郎博士還暦記念論集2006

    • Author(s)
      秋山 学
    • Total Pages
      531-540
    • Publisher
      東京堂出版(所収 欧米文化研究におけるハンガリー語の意義-語順を中心に-)

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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