2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 文代 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20139497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 兆史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80162246)
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Keywords | 英米文学 / 英語 / メディア / 教育 |
Research Abstract |
研究最終年の本年度は、初年度、2年度に引き続き基本的文献やメディア関連資料の収集を行うと同時に、資料の整理、分析を行った。研究代表者(林)は主としてアメリカの大学・大学院の文学・教育に関する資料収集と分析、研究分担者(斎藤)は主としてイギリスの高等教育機関に関する資料収集と分析を試みた。また、イギリスの文学・言語・メディア教育に関しては、平成17年5月にノッティンガム大学のブリーン・ハモンド、ジャネット・ディロン両教授をお招きし、その教示を仰いだ。 ハモンド、ディロン両教授との意見交換や質疑応答、資料分析などから、研究分担者(斉藤)の担当するイギリス関係に関しては、BBCによる国際的なテレビ・ラジオ配信、インターネットによるニュース配信など、英語の世界的優位を利用したメディア戦略を展開しつつ、積極的なメディア教育が行われていることが明らかになった。同時に、Geoff Hall著Literature in Language Education(2006)によれば、文学教材を用いた伝統的な語学教育の方法論も復活している。このような一見相反する新旧教育体制の混在が、今後どのように発展していくのかが注目される。研究代表者(林)の担当するアメリカに関しては、インターネットの普及とともに教育のあり方が変化していること、映画やテレビといったポピュラーカルチャーを文学、哲学、歴史など伝統的学問と結びつける傾向が顕著であること、多元文化主義、ポストコロニアル批評などの影響が渾然としていることなどから、何らかの新しい方向に移行する過渡期の様相を示しているとの結果が得られた。
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