2005 Fiscal Year Annual Research Report
エマスンの知的宇宙と彼の時代-アメリカ・ロマン主義の文化史的考察
Project/Area Number |
15520167
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小田 敦子 三重大学, 人文学部, 教授 (80194554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 明 三重大学, 人文学部, 助教授 (40218326)
武田 雅子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (30024475)
藤田 佳子 東大阪大学, 短期大学部, 教授 (60079085)
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Keywords | エスマン / ホーソーン / メルヴィル / ディキンスン / ソロー / ホイットマン / アメリカ・ロマン主義 / アメリカン・ルネサンス |
Research Abstract |
最終年度である今年度は、昨年度に引き続き月例の研究会において、秋まではエマスンの詩の精読を行った。その過程で、詩とエッセイとの関係のなかに、エマスンにとって、またエマスンが同時代に与えた影響にとって本質的な問題があることを、有機的全体性の観念、ギリシア的自然思想のルネサンス、引用の観念などを中心に理解していった。また、後半は成果報告書をまとめるために、共同研究者間の研究報告を行い、これまでの論点の整理を試みた。海外協同研究者のボストン大学Anita Pattersonとは、常にメールで議論をやり取りする他、12月には小田がボストンを訪れ、普段の議論を補足するとともに、ホイットマンのエマスン批評に関する成果報告について打合せを行った。 この間の成果の公表については、研究代表者の小田は、ホーソーンとエマスンの同時代性について、"My Kinsman, Major Molineux"論をまとめたが、その英文発表は来年7月にアメリカのホーソーン、エマスン、ポーの3学会が合同で開催する学会に採択された。武田は伝記的資料からディキンスンとエマスンとの関係を跡付ける論文の他、自身のディキンスン研究をまとめたIn Search of Emily-Journeys from Japan to Amherst(2005)を出版し、それに関する内外での講演で、エマスンの影響の重要性を指摘した。藤田は論文のほかにも、日本ソロー学会全国大会のシンポジアム「アメリカ・ルネッサンス-科学と文学」の司会・講師を務め、エマスンの科学思想の影響を論じた。
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Research Products
(4 results)