2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520175
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
津田 保夫 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (20236897)
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Keywords | 人間学 / 文学 / 18世紀 / 啓蒙主義 / 身体論 / 心身問題 / ドイツ思想史 / 生理学思想史 |
Research Abstract |
本年度はとくに、18世紀ドイツの人間学の文献を収集し、それらにおける身体と精神の関係についての言説の考察を中心に研究を進めた。その結果、当時の人間学においては、精神と身体がそれぞれ思惟実体および延長実体として存在原理をことにしながらも相互に関連し作用しあっていることは経験的事実として捉えられているが、その理論的説明はかならずしも統一的になされてはいないことがわかった。なかでも生理学者アルブレヒト・フォン・ハラーの生理学書や哲学者ヘルダーの論文『人間の魂の認識と感受について』では、精神と身体をつなぐ媒体として神経が重要な役割を果たしており、生体生気あるいは神経液といった精神と物質の中間物的存在が仮定されているが、その実態については明らかにされていない。また、プラトナーの『医師と哲学者のための人間学』では、人間の精神や身体の病あるいは天才が生体生気の働きから説明されている。 次年度は、人間学における心身相関のより経験的側面に関する言説を考察し、さらに文学作品におけるそれらの問題の取り扱われ方について検討する予定である。
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