2004 Fiscal Year Annual Research Report
多言語国家ベルギーにおける芸術文化環境と創作活動の歴史と現状について
Project/Area Number |
15520181
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)
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Keywords | ベルギー / 芸術文化環境 / 文化政策 / 舞台芸術 / モネ劇場 / 多文化共生 |
Research Abstract |
ヨーロッパの仏語圏地域研究、特に複合的文化を有するベルギー文化の「中心」「周縁」概念とアイデンティティ確立の問題の考察を課題として、19世紀から現在に至る芸術・文化の諸相の研究を続けている。今回は文学・芸術作品の分析や芸術文化活動の歴史的変遷の研究を踏まえ、また同様の研究対象を20世紀の芸術文化活動にまで広げて進めると同時に、創作活動を支える芸術文化環境、すなわち国家や地域単位での文化政策、企業や民間も含めた公的援助や助成システムの歴史的変遷と現状も調査・研究し、多言語・多文化を擁する連邦国家ベルギーの芸術文化のあり方を多角的な視点から捉えるべく、研究を進めている。今年度の成果は以下のようなものである。 1.ベルギーにおける舞台芸術政策の歴史的背景を探るために、王立モネ劇場の役割に注目し、オペラの社会的位置づけや建物の変遷、独立時のオーベール作品や世紀末のワーグナー作品上演の意義・影響、現地での聞き取り調査をもとにした劇場の現状と展望について考察した。 2.日本国際文化学会で「ベルギーの多文化共生と文化政策」の研究発表を行い多言語・多文化国家ベルギーの民族意識と文化政策を考えた。(2004.7.3). 3.「舞台芸術・芸能見本市2004大阪」で文化政策セミナー「舞台芸術における異文化の出会い」のコーディネートを行い日欧の芸術交流の可能性を探った(2004.7.29) 4.神戸市立博物館でレクチャーコンサート「フランドルの光と陰を歌う」を企画し、17〜19世紀のベルギー・フランドルの歌を紹介しその社会的背景、芸術傾向について解説した(2004.8.7)。 5.ベルギー各都市において、芸術文化環境に関する現地調査および資料収集を行なった。
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Research Products
(2 results)