2003 Fiscal Year Annual Research Report
ロマン主義時代の英国小説に描かれた女権論者メアリ・ウルストンクラフト
Project/Area Number |
15520193
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 美津子 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60073318)
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Keywords | メアリ・ウルストンクラフト / フェミニズム / ロマン主義時代の英国小説 / 女性の権利の擁護 / 女性の虐待 / 家父長制社会 / エドマンド・バーク / ジャン=ジャック・ルソー |
Research Abstract |
女性の経済的・精神的自立を説いた急進主義者Mary Wollstonecraft(1759-97)は、フェミニズムの先駆的著作とされるA Vindication of the Rights of Woman (1792))において、Edmund Burkeの主張する保守主義的言説を激しく批判し、女性を抑圧する男性中心社会を徹底的に攻撃した。彼女はその発言においてのみならず、実生活においても慣習に反逆する鮮烈な生き様をつらぬいた。かくして、Wollstonecraftの生き様・人生はロマン主義時代の小説の格好の素材となり、また相対立する二面性を持つがため、当時の作家達に思想の戦いの場を提供した、ということを実証した。このような知見を、Wollstonecraftの著作、彼女の実人生対する言及が多数見受けられるSophia KingのWardorf ; or the Dangers of Philosophy (1798)、Mary Ann HanwayのElinor (1798)、Mary RobinsonのThe Natural Daughter (1799)、Robert BissetのDouglas (1800)、Robert Charles DallasのPercival (18O1)、Charles LucasのThe Infernal Quixote (18O1)、Sydney OwensonのThe Novice of St. Dominick (1805)、Charlotte DacreのZofloya(1806)などの小説を分析することによってさらに補強、拡大した。Wollstonecraftを想起させる女主人公が登場するこれらの作品を、大英図書館、ケンブリッジ大学図書館等からマイクロ・フィルムの形で取り寄せ、精読し、分析した。
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