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2003 Fiscal Year Annual Research Report

歌唱形式の宣講による民衆啓蒙活動に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15520228
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

阿部 泰記  山口大学, 大学院・東アジア研究科, 教授 (40091227)

Keywords宣講 / 案証 / 歌唱形式 / 善書 / 包公廟
Research Abstract

1.早稲田大学・東京大学・上海図書館などにおいて、湖南省・四川省などの地域で民国時代まで行われていた宣講のテキストを収集した。
2.このうち、湖南省ではすでに衰退していることを民俗学者王建章氏から聞いた。
3.四川省の現状を知るため、四川省曲芸団・成都市群衆文化館・四川省音楽舞踏研究所を訪問し、蒋守文氏などから四川省における宣講の現状と研究の実態に関する話を聞いた。その結果、四川省でもすでに宣講が衰退していることなどが分かった。
4.以上の調査と観察の結果、目下のところ、湖北省にだけ宣講が伝承されていることが分かった。
3.収集した宣講のテキストを用いて、その特異な歌唱形式を分析した。宣講は民衆教化を行う上で、「案証」(実例)を必要とし、しかも貞女・孝子などの登場人物は歌唱(十言定型詩)によって感情を表現する。この「案証」を文学のジャンルから考察すると、小説の分野に属し、「案証」の歌唱も、小説の中で人物が感慨を詩で証す「有詩為証」の形式と似通うことを考察し、「宣講における歌唱形式一二重の案証効果」と題して論文を発表した。
5.宣講研究と付帯的に中国各地の包公廟を調査した結果をまとめ、研究調査報告「湖南・江西における包公祭祀」、『包公伝説の形成と展開』第五章に発表した。宣講は祠廟で行われることが多く、宣講のテキストは神の扶鸞(託宣)によって制作された善書と共通する性格を有している。民間の祠廟の代表として関帝廟と包公廟があり、ここでは包公廟の分布状況を調査して、包公の経典である『包公鉄面明聖経』の文体について分析を加えた。その結果、小説などの文学を通じて伝説が形成され、それが経典に発展して祠廟が全国的に建造されていったことを明らかにした。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 阿部 泰記: "宣講における歌唱形式-二重の「暗証」効果"アジアの歴史と文化. 8輯. 1-15 (2004)

  • [Publications] 阿部 泰記: "湖南・江西における包公祭祀"東アジア研究. 2号. 201-222 (2003)

  • [Publications] 阿部 泰記: "包公伝説の形成と展開"汲古書院. 614 (2004)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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