2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本語周辺方言における中舌母音の歴史的性格に関する研究
Project/Area Number |
15520240
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大野 眞男 岩手大学, 教育学部, 教授 (30160584)
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Keywords | 日本語方言 / 琉球方言 / 奄美方言 / 東北方言 / 中舌母音 / 一つ仮名弁 / 二つ仮名弁 |
Research Abstract |
平成15〜16年度にわたり、下記の3点について標記研究を遂行した。 1)既存の音声資料の分析に基づく中舌母音の歴史的性格の究明 2)新たな臨地調査による中舌母音方言資料の補完及び分析 3)中舌母音の歴史的性格に関する仮説づくりと仮説の修正 1)においては、中舌母音を有する日本語周辺方言から北琉球奄美方言を取りあげ、(1)エ段音対応、(2)su・zu・cu対応、(3)連母音ai・ae等対応、(4)隣接中舌拍からの同化、の4つの要因をうちの(1)及び(2)の歴史的関係に着目し、Ci・Ce・Cu(C=s・z・c)の奄美方言全体における統合状況を5つの類型に分けて地図化を行い、大野「一つ仮名弁ではない奄美周辺北部方言の歴史的性格」『音声研究8-1』として発表した。また、北奄美方言の音声的特徴について、大野「北奄美周辺方言の歴史的性格」『岩手大学教育学部研究年報63』として報告した。 2)については、南琉球方言において中舌母音の顕著である波照間島方言と、逆に中舌母音が衰退状況にある竹富島方言を取りあげ、南琉球方言の高母音化に関連した後舌半広母音(オ段音)の残存状況を把握した。 3)については、1)及び2)によって得られた資料をもとに、琉球方言及び東北方言を含む日本語の中舌母音の歴史に関する先行仮説の批判と新たな仮説の構築を行い、岩手大学語文学会第12回研究会において大野「ズーズー弁(中舌母音方言)は古いのか、新しいのか?」として口頭発表を行った。
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Research Products
(2 results)