2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520255
|
Research Institution | SHIMANE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福田 哲之 島根大学, 教育学部, 教授 (10208960)
|
Keywords | 出土文字資料 / 馬王堆漢墓帛書 / 阜陽漢墓木牘 / 定州漢墓竹簡 |
Research Abstract |
本年度は、研究の目的および研究実施計画に従い、前年度までの研究成果にもとづき、戦国から秦漢にかけての各時期の筆記資料の中から、とくに戦国末から始皇帝期にかけての資料と見なされる馬王堆漢墓帛書『式法』と前漢初期の資料である阜陽漢墓出土木牘章題・定州漢墓竹簡『儒家者言』を中心に研究を進め、以下のような成果を得た。 1.馬王堆漢墓帛書『式法』:秦の始皇帝期に楚人によって書写された『式法』には、楚の文字から秦の文字へ転換する過渡的な状況が認められることを、個々の文字の分析を通して具体的に明らかにした。 2.阜陽漢墓出土木牘章題・定州漢墓竹簡『儒家者言』:両資料の分析を通して、前漢初期の筆記文字の実態を把握し、さらに内容面から両者の関連や伝世文献との関係などを明らかにした。 このうち1については、「楚文から秦文への転換-馬王堆帛書『式法』の初歩的検討-」と題して、第16回書学書道史学会大会(2005年10月29日、四国大学)において口頭発表をおこなった。また2については、2篇の論文として学会誌に発表した。 国際学術交流の面では、昨年の4月8日に開催された「上博簡与出土文献研究方法学術研討会」(国立台湾大学東亜文明研究中心)において発表した論文「字体分析在出土文献研究上的意義-以郭店楚簡<語叢三>為中心-」を収録した『出土文献研究方法論文集初集』が2005年9月に台湾大学出版中心から刊行された。また、2005年12月2・3日には台湾の国立政治大学において開催された「出土簡帛文献与古代学術国際研討会」に出席し、台湾をはじめ北京大学や武漢大学など大陸の多くの研究者と学術交流をおこない、貴重な研究情報を得ることができた。
|
Research Products
(4 results)