2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520288
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真田 信治 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00099912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 文子 国立国語研究所, 情報資料部門第一領域, 主任研究員 (90263186)
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Keywords | ネオ方言 / 中間方言 / カライモ普通語 / トン普通語 / 奄美方言 |
Research Abstract |
伝統的方言と標準語をめぐる葛藤の歴史の中から、基盤である方言と習得目標であった標準語との大きな隔たりの中間に、本来の方言にもまた標準語にも見られない第三の言語変種(申請者の提唱する「ネオ方言」)が各地で生成されつつある。 当研究は、薩南諸島、主として奄美大島を主たるフィールドとして、これら中間言語変種の実態を明らかにすることをめざしたものである。成果の一部を「報告(レポート)」にまとめた。 1.調査に向けての準備 研究代表者と研究協力者で談話収録調査の方法に関する討議を行い、先行文献を収集して内容を分析するとともに、具体的なフィールドワークのための準備を整えた。 2.調査の実施 奄美大島南部の瀬戸内町で臨地の調査を開始した。老年層世代を対象に自然談話の収録と意識調査を行った。なお、周辺部の状況として、鹿児島における「カライモ普通語」といわれるものの実態や意識なども調査した。さらには、比較のために青森、静岡、神戸などでのデータも収集した。調査は、研究代表者と研究分担者、及び研究協力者が協力しつつ実施した。 3.報告(レポート)の作成 調査の結果をまとめた報告、「奄美における公的な方言談話の文字化資料」及び「瀬戸内町における行動圏・言語意識(資料)」を作成した。 4.今後の課題の検討 研究分担者の勤務先(国立国語研究所)において、今後の研究体制、研究方法をめぐる検討、及びフィールドワークの実施に関する打ち合わせを行った。
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