2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520305
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 美知子 千葉大学, 文学部, 教授 (20128622)
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Keywords | Old English / psalter glosses / dialects / Mercian / West Saxon / lexical comparison |
Research Abstract |
今年度は2年目ではあるが、海外の所属学会の開催が重複する年であるため、結果ないし途中経過の発表を前倒しして行い、反応を見ることに重点を置いた。まず6月の韓国英語学会イエスペルセン記念大会では、非人称構文の発達に関する有名な例文The king liked pearsを取り上げて論ずる中で、行間注釈に現われる稀な例を提示した。8月のカナダ、バンクーバーでの国際英語正教授学会ではBoethiusのDe Consolatione Philosophiaeの古フランス語・古英語・中英語・近代英語訳を比較、同一のラテン語に対する訳語が作品により同時代でも異なることを指摘、その結果文脈解釈の違いや抽象概念の意味の違いが後の時代に引き継がれることを例証した。同月末にウィーンで開かれた国際歴史英語学会では、古英語詩編行間注釈13写本における語彙の相違を、方言差(Mercian vs. West Saxon)、時代差(early West Saxon vs. late West Saxon)、語の種類の差(実語vs.機能語)等を中心に網羅的に調査した結果を報告、かなりの反響を呼んだ。11月にはポーランドの中世英語学シンポジウムでの基調講演として、行間注釈に現われる否定語・否定辞・否定構文の異形を、ラテン語の訳出の仕方の相違として提示、構文の場合はラテンのなぞりと英語式の通常の表現とに分かれる様子を実例によって明らかにした。 国内では日本学術振興会の外国人招聘事業(短期)で招いた友人に同行しながら、東京大学・慶応大学・名古屋大学・大阪大学・広島大学等で資料を収集、また日本中世英語英文学会20周年記念大会の特別ゲストの司会として訪れた武庫川女子大学では同学会員との研究課題についての意見交換を行った。
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Research Products
(6 results)