2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520322
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
今井 光規 摂南大学, 外国語学部, 教授 (60034584)
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Keywords | 中世英国韻文ロマンス / 文体 / コンコーダンス / 中英語 / Havelok the Dane / The Squyr of Lowe Degre / King Horn / Sir Orfeo |
Research Abstract |
研究計画調書に記載したとおり、本研究では中世英国韻文ロマンス作品を対象に、表現の特徴を探るのが目的である。具体的目標として次の5項目を掲げた。 1.繰り返し使用される対照表現のもつ口承伝統における意味 2.「埋め草」的表現の果たす役割 3.代名詞(he)の口承性とかかわりを持つと考えられる特徴的な照応の仕方 4.ロマンス作品の詩行(line)の始まり方と作品の個性および口承性 5.節の転置から見た文体特性 昨年度これらの問題に関して2つの論文を作成したが、今年度は、それらの論文の作成過程で検討の必要が起こった問題を詳しく調査した。具体的には、 (1)中世英国韻文ロマンス作品の詩行がどのような始まり方をするかを調査した。昨年度作成した"Catalogue and Repetition in The Squyr of Lowe Degre"で論じたカタログの技法をHavelok the DaneとKing Hornについて詳しく調査し、カタログの技法の機能および分類の妥当性を再検討した。その結果は「中世英国韻文ロマンスにおける事物列挙」(田島松二編:『ことばの楽しみ-東西の文化を越えて』南雲堂2006年3月)他の論文の形で発表した。また、本年度末イギリス・ヨーク市で開催のRomance in Medieval England学会で口頭発表(3月29日)することになっている。 (2)本研究の今年度および過去2年間、およびそれ以前の研究成果をSyntax and Style in Middle English Metrical Romancesと題する論文(博士学位論文(九州大学2005年6月19日))にまとめた。 (3)来年度は上記研究目的にあげた項目に係る問題をさらに深く掘り下げる予定である。
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Research Products
(3 results)