2003 Fiscal Year Annual Research Report
英語教育における目標基準準拠評価(絶対評価)の動機付け効果の検証
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15520346
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡部 良典 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (20167183)
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Keywords | 目標準拠評価 / 絶対評価 / 評価規準・評価基準 / 動機付け / 教育評価 / 英語教育 / 面接調査 / 授業観察 |
Research Abstract |
以下、標記のテーマについて本年度行った調査の経過報告である。 事前準備:(1)目標基準準拠評価(以下「絶対評価」)について指導要領は具体的にどのような「効果」を狙っているのかを調査する。(2)絶対評価についてどのような意見があるのか、新聞、雑誌などを調べてまとめる。(3)国内外の文献を調べ、これまでに絶対評価の動機付け効果に関する調査が行われているかどうか、行われているとすればどのような結果が得られているかを調査する。予備調査:(4)中学・高校教員が絶対評価をどの程度正確に理解しているかを面接・アンケート調査する。 以上が、応募書類に記載した計画のうち、本年度に行うことのできたものである。これまでの結果、絶対評価については、特に中学校において綿密な計画のもとに実施され、ある程度動機付けの効果を上げていることがわかった。しかしながら、基準・規準の設定があまりに綿密であるがために、実際に使えないなどの問題も観察された。また、高校においては学校間の格差が大きいなどの理由から、あらゆる高校に適用できる基準・規準の設定が難しく、現場に混乱を招いているなどの問題もある。したがって、生徒を動機付ける以前の段階でとまってしまっているという現状もある。 ここまでの成果に基づき、今後は以下について調査を続ける。 (5)生徒が絶対評価について何か気づいた点はあるかどうか、どのような印象をもっているかを調査する。(交通の便を考慮し、東北地域で実施する。)(6)面接アンケート結果を分析し、絶対評価に関する理解が特に深くかつ成果を挙げている学校を数校特定する。(7)同時に、絶対評価について、あまり理解が進んでおらず、従来の集団基準準拠評価(相対評価)から変化のあまり見られない学校を数校特定する。(8)各校に調査の依頼を行う。(面接調査、授業観察を許可していただけるかどうかを伺う)(9)許可の得られた学校について、より詳細な設定基準、基準の運用の仕方、教授内容、カリキュラムの構成、学校全体の協力体制などについて直接お話を伺い、情報を得る。(10)結果を分析し、特に動機付けに関係する重要な要因をまとめる。(11)協力校の生徒が絶対評価をどのようにとらえているか、アンケート調査を行う(とくに「やる気」に焦点をあてる)。(12)許可を得た上で、授業で何が行われているかを客観的に確認する。(3校程度、各校につき3回程度観察)
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshinori Watanabe: "Does English Ability Really Matter? - Validating Final Grades in University EFL Courses"秋田大学教養基礎教育年報. 第6号. 19-28 (2004)
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[Publications] Yoshinori Watanabe: "Exploring Test-Wiseness of Japanese Senior High School Students"教育文化学部紀要. No.59. 29-39 (2004)
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[Publications] Liying Cheng, Yoshinori Watanabe(with Andy Curtis): "Washback in Language Testing : Research Contexts and Methods"Lawrence Erlbaum(USA). 237 (2004)