2003 Fiscal Year Annual Research Report
中高等教育での文法を基礎とした朝鮮語の教育プログラムと教材の開発
Project/Area Number |
15520382
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
矢野 謙一 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (00271453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 晃次 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (90291450)
岸田 文隆 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30251870)
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Keywords | 朝鮮語 / 文法 / 形態論 / 品詞分類 / 助詞 |
Research Abstract |
本年度の研究で成果が出た分野は、朝鮮語文法のうち品詞論と体言の形態論である。 品詞論の分野では従来、分類基準があいまいであったため日本語の話者が日本語からの類推や大雑把な記述をもとに処理していた現象を明確に解決できるよう、日本語文法でもちいられる「文節」の概念を導入し、文を文節に分け、文節をさらに自立語と付属語にわけ、それぞれを形態的特性から品詞分類をおこなった。この方法は意味に頼らず、朝鮮語においても限られた数でしかも新しい形態がうまれにくい付属語を基準に、形態的特性から品詞を規定するため、日本語文法と同様の思考方法で正確に品詞を分類できる。それによって抽出された品詞をそれぞれ形態的特徴を記述した。この過程で名詞の下位分類、代名詞の用法、用言の下位分類、副詞の用法などで日本語からの類堆や大雑把な記述に起因する運用上の混乱を「文節」の概念を導入することで排除できることがわかった。 体言の形態論では、従来の運用のための文法では、格助詞と副助詞が日本語の対応する助詞を結び付け、顕著に異なる点を指摘するにとどめるが、韓国や北朝鮮での「国語辞典」による助詞の記述の翻訳であったが、日本語の助詞の記述を参考に朝鮮語の助詞の実際の用法を整理し、日本語の話者に運用しやすい記述を試みた。 以上の研究成果を、研究報告書(その1)「朝鮮語の品詞論と助詞」にまとめた。
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