2004 Fiscal Year Annual Research Report
札幌農学校・北海道帝国大学における植民学の展開にかんする基礎的研究
Project/Area Number |
15520392
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 勝生 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90044726)
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Keywords | 植民学 / 植民論 / 札幌農学校 / 北海道開拓 |
Research Abstract |
(1)札幌農学校・東北帝国大学農科大学・北海道帝国大学農学部の佐藤昌介・新渡戸稲造・高岡熊雄および高倉新一郎らの文書について、北海道大学附属図書館貴重書所蔵庫・同北方資料室・北海道大学農学研究科農経図書室・北海道立図書館郷土資料および北海道ほかの地方新聞資料などについて史料調査を行った。とくに、大学史資料について植民学関連史料を収集した。 (2)佐藤昌介が札幌農学校で、1891年から作成した講義ノートを解読し、その一部を校訂して『佐藤昌介「植民論」初期講義ノート(上)』として『北海道大学文学研究科紀要』115号に公表した。佐藤昌介が、日本で最初の「植民学」の講義を行うに際して、基礎にした欧米の植民学についても、重要な点について解明が進んだ。 (3)佐藤昌介・新渡戸稲造の植民学の内国植民・北海道開拓へのかかわりを調査し、とくにアイヌ民族にたいする施策について、植民学の先住少数民族問題への言及などを調査し、研究した。 (4)植民学と朝鮮植民地支配との関連についての調査を行い、朝鮮の甲午農民戦争を弾圧した日本軍に関する資料を、研究から派生した成果として、新たに見いだしたが、これらの朝鮮植民地支配の関連資料も、引き続き平行して調査・研究した。地方新聞調査、および地域フィールドワークによって見いだした朝鮮派遣日本軍に関する新事実をもとに札幌と松山で研究者・市民向けの学習会と講演会を開いた。
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