2004 Fiscal Year Annual Research Report
福建・台湾の宗教文化ネットワーク形成に関する歴史的動態の研究
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15520424
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丸山 宏 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (00229626)
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Keywords | 福建 / 台湾 / 民間信仰 / 道教 / 宗教交流 / 宮廟 / 移民史 / 儀礼 |
Research Abstract |
本研究は民間信仰と道教の領域で福建と台湾の間に緊密に存在する複雑なネットワークの形成に注目して、その歴史的な動態を解明しようとする目的で行われている。 平成16年6月において、まず日本に滞在していた宗教史を専門とする福建師範大学歴史系の林国平教授を補助金により筑波大学に招いて、本研究の遂行に資する専門的な知見を提供していただくことができた。林教授のレクチャーの内容は主に二つに分かれ、第一に福建側の民間信仰の現状に関するもの(宮廟、神々、信者の数量、種類、分布および福建民間信仰の全般的な特徴について)、第二に福建と台湾の間の宗教交流に関するもの(宗教交流の歴史的社会的背景、宗教交流の方法と類型、1980年代以降の政策と宗教交流の実態について)があった。フィールドワークに基づいた豊富な事例と根拠によるものであり、これらは大変に参考になった。また、こうして林教授との学術的な関係ができたことにより、本年度は実現しなかったが、17年度に予定している福建での調査とその史料の分析にとって円滑に進められる重要な条件作りができたと考えている。 平成16年8月には丸山は台湾の主要な図書館等に赴き、現在、台湾において急速に進捗している、地方政府の文化関係部署と学術界の研究者との共同作業による地域的な宗教誌の記述の成果を通観して理解を広め、それらの成果の中には本研究にとって重要な内容を含むものがあることを確認し得た。宗教ネットワーク形成は移民史を基盤にした問題であり、関連史料の収集と分析を進めた他、道教儀礼の内容面での福建と台湾の連続性について部分的な成果を公表した。
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Research Products
(2 results)