2004 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀中国における知識人集団の思想と行動--胡適新文化集団の研究
Project/Area Number |
15520428
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
緒形 康 神戸大学, 文学部, 助教授 (40194427)
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Keywords | 知識人 / 胡適新文化集団 / 20世紀中国 / 思想と行動 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀という歴史変動期における中国知識人集団の思想と行動を、胡適新文化集団という個別事例を通じて明らかにしようとする試みである。その際、1917年〜51年、1951〜78年、1978〜現在、という3つの時代区分を設定し、それぞれの時代における胡適新文化集団の思想と行動に関する分析によって、3時代の知識人集団の共通点と相違点を明らかにすることに重点を置いた。 研究の第2年(最終年)に当たる本年は、胡適新文化集団そのものの実態究明を目指した第1年目の成果の上に、胡適新文化集団の3時代における社会的・文化的・思想的役割に関する総括を行うことが出来た。その主な成果は以下の通りある。 1 「哲学の運命--胡適のデューイ」において、胡適の中国哲学史のアメリカ・プラグマティズムとの相関関係について、1910年代から胡適の最晩年の60年代までを通観し、その受容・発展・普及の実態を明らかにした。 2 「中国現代思想1991〜2003」において、胡適に提唱した自由主義の、現代中国における受容・反発・再提起の有様を解明した。特に改革開放期後半の1990年代以後における展開を重視した。 3 「書院の公共性をいかに復権するか」において、胡適が目指した書院教育と近代的教育制度の調和モデルの可能性について、主に歴史的観点よりする分析を行った。 4 「現代中国における国家と社会」において、上記の2の観点をさらに発展させ、現代中国における胡適新文化集団出自の自由主義の持つ政治思想的な意味付けについて、市民社会論の観点よりする総括を行った。 以上の研究により、胡適新文化集団の20世紀中国における思想的・文化的・社会的な位置付けがより明確になったと考える。
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