2004 Fiscal Year Annual Research Report
古代ギリシア人のコミュニティに対する意識に関する通時的視点からの研究
Project/Area Number |
15520463
|
Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
長谷川 岳男 鎌倉女子大学, 児童学部, 助教授 (20308331)
|
Keywords | 古代ギリシア / ポリス / ペロポネソス / 小アジア / アルカイック期 / ローマ帝国 / アイデンティティ / 神域 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の準備を受けて、まず4月に東京大学で開催された「古代地中海世界をめぐる国際シンポジウム」において「From Hellenes to Greeks- a type of Romanization?-」という報告を行い、ローマ支配下におけるギリシア人のアイデンティティについての研究成果を発表した。ついで5月に一橋大学で開催された「2004年度歴史学研究会」にて「ローマ」概念の2000年と題された部会で「表象の帝国-ローマ理念のルーツ-」というタイトルで、後世に対するローマ帝国の意義を取り上げ報告した(その内容を『歴史学研究』に掲載した)。また10月にはやはりローマ帝国という現象の意義を見直す意味で、それに関する書物の書評を掲載した。加えて一般向けにこの帝国を理解する助けとして書物も出版した。これらローマ帝国をいかに捉えるかという問題はギリシア世界を理解する上で、この帝国を経由してギリシア世界の情報の性格が決定したため、欠かせないテーマとなる。 またギリシア人にとってコミュニティとは何か、という根元的な問いに関する研究も並行して進め、その成果の一部を3月にロンドン大学で開催された「The first Euro-Japanese Colloquium on the Ancient Mediterranean World : exploring Archaic Greece」において「How to make a polis : a Case of Megalopolis」と題する報告において、メガロポリスの創建とその結果に注目して従来の認識の問題点を指摘した。
|
Research Products
(3 results)