2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520487
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
難波 洋三 独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 学芸課, 情報管理室長 (70189223)
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Keywords | 銅鐸 / 弥生時代 / 出土地名表 |
Research Abstract |
平成18年度は、東京国立博物館蔵鐸、岡山県立博物館蔵鐸、弥生文化博物館蔵銅鐸破片、辰馬考古資料館蔵鐸、奈良県田原本町所蔵唐古・鍵遺跡出土鋳造関係遺物、神戸市青木遺跡出土銅鐸などを調査し、観察、計測、写真・ビデオ撮影などによって、資料化を計った。特に、東京国立博物館では、突線紐1・2式を中心とした銅鐸を多数調査し、近畿式・三遠式の成立直前の銅鐸群について、新たな知見を多く得ることができた。岡山県立博物館で調査した銅鐸のうち、出土地不明三遠式銅鐸は、三遠式の最古段階に属する珍しい例であり、三遠式の成立、使用状況、伝世のありさまなどを考える上で重要な知見を、その観察調査によって得ることができた。また、本研究による、近畿式・三遠式成立前夜の銅鐸群の動向、それから復原できる地域勢力間の相互関係、それらの地域勢力の連合の成立による近畿式・三遠式の成立とその歴史的意味などについての研究成果を、2006年12月1日-3日に国立歴史民俗博物館で開催された国際シンポジウム『古代アジアの青銅器文化と社会-起源・年代・系譜・流通・儀礼-』において、「近畿式・三遠式銅鐸の成立」の表題で発表した。この発表は、日本経済新聞(2007.1.6)と毎日新聞(2007.1.26夕刊)に記事として採り上げられるなど、注目を浴びた。なお、今年度は本研究の最終年度であり、上記の調査や研究発表と並行して銅鐸出土地名表の作成・編集作業をすすめ、8月に完成した。
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Research Products
(3 results)