2003 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋戦争とメラネシアの都市-アメリカ軍の建設したキャンプ都市の歴史人類学的研究
Project/Area Number |
15520518
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 政徳 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40128583)
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Keywords | ヴァヌアツ / 太平洋戦争 / 都市人類学 / メラネシア |
Research Abstract |
まず本年度は、9月7日から同月22日にかけて出国し、ヴァヌアツ共和国でのフィールドワークを実施した。ヴァヌアツではまず首都のポートヴィラ市の国立図書館でアメリカ軍の造ったキャンプ都市としてのルガンヴィル市の歴史に関する資料収集にあたり、アメリカ軍のキャンプ地として現在のルガンヴィルを決定する経緯や、キャンプ都市の建設の歴史的状況などについての情報を得た。また統計局において、ヴァヌアツ各地からルガンヴィル市に移住してきた人々の足取り、ならびに民族構成に関する資料を収集した。さらに、当時のキャンプ都市で生活していたポートヴィラ在住の古老にインタビューを実施し、当時のキャンプ都市の日常についての情報を得た。また、ルガンヴィル市にも赴き、アメリカ軍の痕跡、キャンプ都市の空間的広がり、人々の都市生活、首都とは異なる地方都市としてのルガンヴィル市の人々の位置づけなどを調査した。次年度は、首都のポートヴィラでの資料収集にあたると同時に、ルガンヴィルにおけるキャンプ都市での生活経験を持つ古老の面接調査を含め、キャンプ都市からメラネシアン・タウンへの移行の歴史的状況の把握に努める。 次に、本年度は、第三世界における都市の人類学的研究に関する出版物を収集した。鳥居高著『発展途上国の市場と暮し』、大阪市立大学大学院文学研究科アジア都市文化学教室編『アジア都市文化学の可能性』輪渡戸一郎、広田康生、田島淳子編『都市的世界/コミュニティ/エスニシティ』などを通して、発展途上国における都市生活、都市文化についての一般的状況を把握するとともに、Gosden & KnowlesのCollecting Colonialismや、William MilesのBridging Mental Boundaries in a Postcolonial Microcosmなどを通して、メラネシア社会におけるコロニアルからポストコロニアルにかけての状況を把握した。
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Research Products
(1 results)