2003 Fiscal Year Annual Research Report
主要〈文明社会〉の法の比較史的研究-西欧・中国・日本等における土地法-
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15530011
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
水林 彪 東京都立大学, 法学部, 教授 (70009843)
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Keywords | 西欧 / フランス / 中国 / 土地法 / 民法典 / 契約法 / 均田制 / 文明 |
Research Abstract |
標記研究課題について、今年度は、西欧と中国の2大文明における土地法の展開について研究し、これを、「西欧法の普遍性と特殊性-比較法史学的考察-」と題する比較法学会(2003年6月)報告にまとめた。近日中に、同名の論文として、比較法学会機関誌「比較法研究』65号、2004年予定)に発表される。 この論文において、おおよそ、次のようなことを論じた。 (1)地球上の多くの地域は、それぞれに、歴史のある時点において、共同体社会から土地市場社会への移行(文明化)という事態を経験した。そして、その経験に対する対処の仕方の差違のうちに、それぞれの文明(法文化)の特質が示された。 (2)西欧においては、17世紀のころに上記歴史過程が進行し、これへの対応として、民法(Iois civiles)が形成される。土地の自由取引を承認するとともに、それを厳格な民法の規範のもとに服せしめようとする道の選択である。 (3)中国においては、紀元前に上記歴史過程が進行し、これへの対応として、均田制(土地取引にともなう農民層分解を抑止し、国家が臣民に対して平等な土地所有を行政的に保証しようとする政策)が採用された。 (4)上記(3)との対比において、(2)に印したところの、西欧法の特質が浮かび上がる。
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Research Products
(1 results)