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2003 Fiscal Year Annual Research Report

近代国際法における外国人の身体・財産の保護

Research Project

Project/Area Number 15530034
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

小畑 郁  名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40194617)

Keywords近代国際法 / 外人法 / 公権 / 私権 / 身体の自由 / 手続的権利 / 国際的人権保障
Research Abstract

本年度は、まず、近代国際法における外人法、すなわち外国人の身体・財産の保護観念の構造を探る現代的意義をより鮮明にするために、現代国際法における人権の保障との区別と関連を明らかにする作業に取り組んだ。これまでの学説は、前者について私権の保障という性格を強調する一方で、後者について、憲法の国際化という流れのなかでそれを理解してきた。したがって、国際的保障における人権の体系についても、G・イェリネックの流れを受け継いて、公権(のうちの基本的なもの=基本権)の体系として理解し、さらに具体的な人権条約に対して、国家からの自由とくに精神的自由を重視するという視座から評価する傾向があった。しかし、実際の、現代における支配的な国際的人権保障の体系においては、身体の自由と裁判を受ける権利を中心とした手続的権利が中心になっている。これは本研究の視座からすれば、財産権の保障を除くと、近代国際法における外人法とそれを前提とした国家責任の体系と極めて近似的なものであることが直ちに明らかになる。本研究代表者は、この理解を応用して、国際人権規約の私人間適用の問題を解く論稿を発表した。
近代における外人法の生成・発展については、2003年3月に「近世ヨーロッパにおける外国人の地位と本国による保護-近代外交的保護制度の史的研究への序論的覚書」と題する論稿を『国際社会の法構造:その歴史と現状』(田畑茂二郎先生追悼論集上、東信堂)に発表し、関係研究者のご意見・コメントを聴取してきている。また、関連国際法学説の検索と渉猟に引き続きつとめた。その上で、これまでの予備研究の成果を整理し、1826英墨条約の準備作業について、さらに一次史料を特定し収集する作業を継続中である。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 小畑 郁: "コメント:国際人権規約の私人間適用-憲法の基本権規定の場合とどう異なりうるか-"国際人権. 14. 51-55 (2003)

  • [Publications] 小畑 郁: "外交的保護"コンサイス法律学用語辞典(三省堂). 135-136 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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