2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530054
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Research Institution | Takaoka University of Law |
Principal Investigator |
赤池 一将 高岡法科大学, 法学部, 教授 (30212393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 英明 松山大学, 法学部, 教授 (70298313)
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Keywords | 刑事施設 / 民営化 / 私事化 / 13,000床施設 / 被収容者支援団体 / 政策評価 / 国際情報交換 / フランス |
Research Abstract |
本年度は、この分野での民営化論についての一般的検討のほか、来年度に予定しているフランスの半民営刑事施設の調査につき、その準備的作業を行うことができた。具体的には以下のとおりである。 1 研究代表者(赤池)は、刑事施設民営化の前提となる刑罰理念に関するフランスでの議論を検討し、裏面11「研究発表」記載の文献にまとめた。また、民営化に関するアメリカ合衆国での経験を検討する文献の翻訳作業を進め、現在、その成果の一部を専門雑誌において順次紹介する準備を行っている。 2 研究代表者は、フランスにおける民間企業参入施設の現状を調査した数種の報告書を入手し検討したが、施設の民営化とその社会化の差異を、特に、少年施設での展開に着目し検討すべきとの認識を得た。 3 研究分担者(福岡)は、フランスのいわゆる実験的法律につき、分野を問わず広くその実施例を調査し、それぞれにおける政策評価のあり方の特徴を検討している。 4 研究代表者、研究分担者両名は、上記の作業を進行させる一方で、本年3月にフランス司法省行刑局および青少年司法保護局に対する聞き取り調査を行った。行刑局においては、国際関係部長M.BIRLING氏に対し、フランス行刑施設における民営化の実情についてヒアリングを行い、また、4月以降の再度の調査(半民営施設の参観)につき計画を協議し具体化した。また、青少年司法保護局においては、統括管理官V.HUBAULT氏に対し、同局において検討を進めている少年施設での処遇状況に関する評価研究につきヒアリングを行い、また、同局での当該問題に関するプロジェクト・チームの検討会に参加し、民営・国営の各施設に対する政策評価、特に、その基準作りの実情を調査することができ有意義であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 赤池 一将: "フーコー『監獄の誕生』と「犯罪性」概念について"法学新報. 110巻3・4号. 1-41 (2003)
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[Publications] 赤池 一将: "フランス刑事施設における医療改革について"CPR News Letter. 35号. 5-8 (2003)
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[Publications] 赤池 一将: "フランス刑事施設における医療のあり方とわが国での議論"高岡法学. 第15巻1・2号. 1-33 (2004)
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[Publications] 刑事立法研究会: "21世紀の刑事施設 グローバル・スタンダードと市民参加"日本評倫社. 362 (2003)