2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 友敬 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80209064)
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Keywords | 会社法 / 国際私法 / 商法 / 抵触法 |
Research Abstract |
研究第2年目である本年は,特に国際的な企業再編,企業結合について,これまで十分に認識されてこなかった問題点を明らかにする作業を行った。調査としては,ダイムラー=クライスラーのような国際的企業再編の仕組みや,国際的な結合企業関係に関する外国法(特にコンツェルン規制を有するドイツ法の状況)の調査等を行った.さらに,それを踏まえ,国際的な結合企業関係に関する問題整理,解釈論の提示も行った.これらの問題は,とりわけ初年度の研究成果である「会社従属法によって規律される事項の範囲」と密接に関連するものである.特に外国子会社の株主による親会社経営者の責任追及や,親会社株主による外国子会社経営者の責任追及(いわゆる二段階代表訴訟)について,理論的な難問があることが分かった. 同時に,現在進行中の会社法現代化作業において議論されている,会社法(会社実質法)の国際的側面についても検討した(会社法現代化作業においては,国際的な株式交換の可否やそれを前提とした規定の整備,外国子会社の取り扱い,社債管理会社・社債権者集会関係の規定の外債への適用等が問題とされた). これらの成果は,後掲の「国際的な企業結合関係」,「企業再編対価の柔軟化・子会社の定義」,"Modernizing Japanese Corporate Law" : Ongoing Corporate Law Reform in Japan"として公表された. 次年度は,さらに上記研究を掘り下げると同時に,企業ファイナンス等の領域にも研究を広げたい.
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Research Products
(3 results)