2004 Fiscal Year Annual Research Report
法的サービスの受け手の観点からみた弁護士の倫理と情報公開
Project/Area Number |
15530064
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田邊 誠 広島大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40197512)
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Keywords | 弁護士倫理 / 情報公開 |
Research Abstract |
今年度は、本研究の第2年目として、国内の文献・資料、また、海外調査によって、 (1)諸外国の弁護士の情報公開、弁護士倫理に関する諸規定やルール (2)過去の弁護士倫理に関する問題事例 (3)韓国における弁護士に関する情報公開、弁護士倫理に関する問題状況と教育 に関する調査を実施した。 具体的には、 (1)について、外国の図書及び論文を参考にして、問題点を整理した。その結果、各国の法曹倫理のあり方は法制度及び法曹制度に大きく依存しているため、比較検討は容易ではないが、情報公開の方法については参考になる点が多いことが分かった。 (2)について、今年度は、過去の問題事例の中から、新たな弁護士倫理規範として、規定またはルールかできるものがないか、という観点から検討したが、いまだ検討の途中であり、結論を得るには至っていない。 (3)について、韓国を訪問して、司法研修所の裁判教官、及び、弁護士会の関係委員などに面接して、弁護士の広告・宣伝などに関する規制の状況、弁護士倫理に関する問題点、弁護士倫理教育のあり方などに関する調査を実施した。上記(1)に述べたような事情で、法制度の面で日本との共通点が比較的多いことから、比較対象として韓国を選んだが、広告・宣伝は情報公開の面から重要であるが、無秩序な許容には問題があるとの認識がわが国と共通していること、弁護士画家上である都市部では弁護士倫理に関して問題事例が散見されること、倫理教育は大学ではなく司法研究所を中心に行われていることなど、興味深い調査結果が得られた。
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