2006 Fiscal Year Annual Research Report
民主化支援の国家・国際機関・NGO-総合的枠組の構築をめざして
Project/Area Number |
15530103
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増島 建 神戸大学, 法学研究科, 教授 (30286017)
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Keywords | NGO / 国連 / 民主化 |
Research Abstract |
本年度は、研究最終年度であったが、予定していた海外での調査を実施して最終的な調査を行うことができた。その概要は以下の通りである 2006年6月11日から18日まで米国のニューヨーク、ワシントンへの出張による調査を実施した。ニューヨークでは国連開発計画(UNDP)にて、民主化支援を担当する部局である開発局の局長、開発局民主的ガバナンス・グループの責任者、危機回復・復興局の担当者らから聞き取り調査を実施した。特にハーバード大学から出向した民主的ガバナンス・グループの責任者とは研究者同士ということもあり、つっこんだ意見交換もできた。またワシントンでは、ブルッキングス研究所、米州開発銀行を訪問し、民主化・ガバナンス支援について調査を実施した。これらの調査を通して、得られた点を概括的に述べると次の通りである。一つは、民主化支援が自由選挙実施後などのポスト民主化の段階に入ると、国家機構の整備(裁判所など)を行うガバナンス支援と有機的に結びつけられていることである。第二に、紛争後社会の復興をはかる平和構築においても、駐化支援の視点が磯的に取り入れられることが求められていることである。そして第三に、これらの展開が援助機関それぞれにおいて関係部局間での調整・対応の模索という形で組織的に現れていることである。 成果の発表に関しては、現在準備を進めている単行本へのインプットを行っている最中であり、雑誌論文等での発表は行わなかった。しかし日本で初めて開催された(2006年7月11日に福岡で開催)International Political Science Association(IPSA)世界大会の分科会において"Governance in Security/Development Nexus : A Missing Link?"と題する報告を行い、平和構築における民主化支援の問題に関しての見取り図を示すことができた。本年度の研究成果をふまえた研究結果のとりまとめに引き続きあたりたいと考えている。
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