2003 Fiscal Year Annual Research Report
アジア広域経済圏構想に向けたEUの通貨・金融システムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
15530116
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
奥山 忠信 埼玉大学, 経済学部, 教授 (40185559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 修 埼玉大学, 経済学部, 教授 (40312912)
箕輪 徳二 埼玉大学, 経済学部, 教授 (20157580)
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Keywords | アジア通貨危機 / 共通通貨 / 広域経済圏 / ユーロ |
Research Abstract |
本研究はアジア通貨危機以降のアジア通貨のあり方について、欧州経済圏・統一通貨ユーロから学ぶことにある。このため、8月にエジンバラ大学を訪問して、Yongcheol Shin氏と意見交換するとともに、Donald George, Ed Hopkins,等のスタッフと問題について話し合った。またロンドンにおいては、大和総研のDirector, Chief Economist Dona1d Egginton氏、佐藤誠一郎主任研究員と意見交換を行った。またアメリカ系金融機関JefferiesのDirector Adrian Hope氏と意見交換した。日本大使館においては、日本大使館で、清水雄策一等書記官と意見交換した。さらに野村総研の宮本佐知子研究員と意見交換した。フランスではレギュラシオーン学派の代表者であるロベール・ボアイエ教授(CEPREMAP)と意見交換した。 本研究は初年度のため、成果のとりまとめはこれから行う予定であるが、おおむね以下の認識を得た。 1.イギリスのユーロ参加問題 イギリス全体としては、ユーロ参加に消極的な意見が多い。研究者の間では特に消極的である。しかし、金融関係者の間では、意見は割れる。ビジネスチャンスの拡大と見る向きもあれば、縮小と見る向きもある。また、労働党内のブレア首相とブラウン蔵相の綱引きも早期参加に関してのマイナス要因となっている。 2.共通通貨問題について ユーロの最大の成果は、フランスとドイツの政治的一体感の確立にある点で、一致している。経済的な低迷は、我慢の範囲内との見方である。この点はドイツの調査を行う必要性を実感した。 3.アジア共通通貨問題について イギリス(エジンバラ大学スタッフ)は、消極的。なぜ共通通貨に関心をもつのかという質問さえあった。ボアイエ教授(フランス)はアジアの政治的経済的独立と強化につながるとして好意的であった。
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