2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530142
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
椎名 洋 信州大学, 経済学部, 教授 (80242709)
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Keywords | 多変量正規分布 / ウィッシャート分布 / 楕円分布 / 不変検定 / 検定力の単調性 / 検定の不偏性 |
Research Abstract |
昨年度、以下の2つの成果を雑誌に投稿したが、今年度は、そこで受けたレフリーからの指摘を基に、改訂を行い、再投稿した。共に受理され、11にあるように出版予定である。 1."On unbiasedness of invariant tests of sphericity" by Yo Sheena, Staff Paper Series 03-03,Faculty of Economics, Shinshu University. 2."Order-Preserving estimators and an inequality on the integration of zonal polynomial" by Yo Sheena, Staff Paper Series 03-04,Faculty of Economics, Shinshu University. それぞれの成果の内容については、昨年度の研究実績報告書を見ていただきたい。 今年度は、上記1の結果をさらに拡張すべく、研究を行った。ひとつは、1が扱っている多変量正規分布を一般化し、楕円分布(elliptically contoured distribution)でも、同じ結果が成立することを証明した。もう、一つの拡張は、単なる検定の不偏性から、検定力の単調性の証明への拡張である。もし、これが証明されれば、Sphericityの検定にとどまらず、その他の様々な固有根の比に基づく検定の、不偏性・検出力の単調性が全て証明されることになるが、筆者の見る限り、証明はかなり難しそうである。 これとは別に、多変量正規分布の分散・共分散行列が、「特定の行列より、正定値性の意味で大きい」という検定の不偏性に関する研究を行った。不偏性に関して、新たな証明方法を見出したが、既に1960年代に、別の簡単な方法で、検出力の単調性が証明されており、不偏性の結果自体は何ら新しいものではない。従って、雑誌に投稿するほどの価値はないが、より一般的な場合への拡張の際に、従来の方法ではうまくいかない場合があるように、筆者は思われるので、これからの研究に役立つ可能性があるかもしれない。
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