2003 Fiscal Year Annual Research Report
景気変動の把握および予測における確率的方法の応用に関する研究
Project/Area Number |
15530146
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
勝浦 正樹 名城大学, 経済学部, 教授 (70224467)
|
Keywords | 景気変動 / 局面推移モデル / Stock-Watsonモデル |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画の各項目(以下の1-3)に沿って、それぞれの概要を説明する。 1.文献のサーベイ:局面推移モデルに関する基本的な文献(主に雑誌論文)を収集した。すべてを詳細に検討したわけではないが、おおよその研究動向を知ることができた。最近の大きな流れとして、実証的な面では、景気変動だけでなく金融などの分野への適用例が多いこと、理論的な面では、Stock-Watsonの時系列因子分析モデル(dynamic factor model)と関連付けたものが多いことがわかった。また、頑健性については、美添他(2003)、Katsuura(2002)以外では、みつけることができなかった(局面推移モデルでのそのような研究は、ほとんどなされていないようである)。また、局面推移モデル以外の景気変動の統計的分析の動向(特に最新のもの)については、期間依存性の研究、Stock-Watsonモデルの研究DIに関する研究、などがあり、多方面にわたっているようである。 2.理論的な研究:局面推移モデルにおける推移確率を時間に依存させる研究は従来行われていたが、それは何らかの外部変数(説明変数)を利用するものであった。外部変数でなく、対象となる変数自身の過去の値を利用するというモデルを考えたが、その具体的なモデルや推定方法については、まだ解決には至っていない。この点は、次年度の主要な課題である。 3.データの収集等:日本のデータに関しては、内閣府経済社会総合研究所より景気動向指数ならびに個別指標のデータは入手可能であり、既に作成した基本プログラムで動作確認を行った。海外のデータでは、アメリカに関して、ECRI(Economic Cycle Research Institute)の景気指数(CI)ならびに個別指標を入手した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masaki Katsuura(Worthington, A.): "Financial Integration in European Equity Markets : The Final Stage of Economic and Monetary Union (EMU) and its Compact on Capital Markets"エコノミア. 54巻1号. 79-99 (2003)
-
[Publications] 勝浦 正樹: "社会生活基本調査における生活行動間の関係"統計関連学会連合大会講演報告集. 2003年度. 251-252 (2003)