2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国自動車産業におけるモジュール化と取引構造・生産システムに関する経済学的研究
Project/Area Number |
15530169
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
伊達 浩憲 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (30278501)
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Keywords | 中国自動車産業 / サプライヤーシステム / モジュール化 / 生産システム / アーキテクチャ |
Research Abstract |
本年度においては,下記の内容の研究を実施した。 (1)ビジネス・アーキテクチャ論や,中国および日米欧自動車産業の部品モジュール化に関する文献調査, (2)国内自動車メーカー2社(トヨタ自動車及び日産自動車)の製造技術担当者にたいして,部品モジュール化戦略およびそれにともなう非典型雇用利用の動向に関するヒアリング調査, (3)中国においてモジュール供給を実施している日産自動車の広州・花都工場およびカルソニックカンセイの花都工場,さらには同社の二次サプライヤーである惠洲東風易進有限公司などを実施調査し,日産自動車(東風汽車)の部品調達戦略とモジュール化戦略に関するヒアリング調査 以上の現地調査を通じて,「中国自動車産業のモジュール化」について,部品分野ごとの「部品モジュール化度」に関する指標や,取引構造に関する指標(サプライヤー選定方式,現地調達率,内製化率,承認図メーカー・貸与図メーカーとの区分)に関するデータを収集した。来年度,さらにデータ収集を継続し,ロジット分析のためのモデル構築および計量分析を実施する。 本年度の研究を通じて,以下のことが明らかになった。すなわち,自動車産業のモジュール化は,電子産業のような「インターフェースの標準化・オープン調達・モジュラー型組み合わせ」とは異なる。自動車産業の場合は,「アウトソーシング化・依然としてクローズド調達・専用部品の組み合わせ」が主であり,「企業の境界」の変更(アウトソースの進行)がモジュール化の核心的内容である。自動車産業のモジュール化が電子産業のそれと異なる理由は,第1に,部品間,企業間の綿密な「すり合わせ」が必要なので,標準部品の点数が少なく,オープン調達が困難な部品が多いこと。第2に,部品メーカーがライセンスを持っている場合が多い(貸与図ではなく承認図)ことである。
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Research Products
(3 results)