2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国自動車産業におけるモジュール化と取引構造・生産システムに関する経済学的研究
Project/Area Number |
15530169
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
伊達 浩憲 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (30278501)
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Keywords | 中国自動車産業 / 生産システム / サプライヤーシステム / グローバライゼーション / ローカライゼーション / モジュール化 / 埋め込まれたグローバライゼーション |
Research Abstract |
本年度は、「中国自動車産業におけるモジュール化と企業間分業の変容」というテーマで研究を進めた。その際、中国においてモジュール化を最も積極的に進めている日産自動車およびカルソニックカンセイ社(以下CK社)のケーススタディを行った。日産およびCK社は、中国の広東省・湖北省だけではなく、ASEAN地域とりわけタイでもモジュール化を進め、加えて、中国とタイとの部品の相互供給の準備を開始している。そこで、タイの東南アジア日産会社にてタイおよび中国担当の購買企画部長へ、またCK社のタイ子会社のモジュール担当者へのインタビューを2006年3月に実施した。 それによれば、完成車メーカーによる(a)グローバルな規模での海外生産の本格化(b)「世界同一品質」の追求(c)モジュール化の進展などの新たな諸条件のもとで、一次部品メーカーと完成車メーカーとの関係には質的な変化が生まれつつあり、従来の「完成車メーカー主導による・国内での長期継続的取引にもとづくサプライヤーシステム」という枠組みでは十分把握しきれない現象が生じつつあることが明らかになった。すなわち、モジュール化は、一次部品メーカーにとっては、従来に比べて、開発・購買・生産の工数や品質保証責任が格段に増えることを意味する。そのため、従来、完成車メーカー側が主導的に担っていた役割を一次部品メーカーが担うという新しい現象が生じており、具体的には、一次部品メーカーは、中国およびタイで、モジュール構成部品の現地調達率の向上を主導的に担うために部品や金型の開発拠点を構築している。 以上のような研究成果を、伊達浩憲・佐武弘章・松岡憲司編『自動車産業と生産システム』晃洋書房(2006年3月)出版した。
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Research Products
(1 results)