2003 Fiscal Year Annual Research Report
移行経済諸国における投資環境の国際比較-中東欧対ロシア極東・南東欧-
Project/Area Number |
15530180
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小山 洋司 新潟大学, 経済学部, 教授 (40036588)
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Keywords | 投資環境 / 中東欧 / 南東欧 / ロシア極東 / EU / バルカン / 外国直接投資(FDI) / 移行経済 |
Research Abstract |
1.中東欧諸国の投資環境を調査するため、7月4日から7月14日にかけてヨーロッパを訪問した。まずポーランドのグダニスク大学経営学部のマグダレーナ・イェジェモフスカ教授を訪問し、ポーランドの投資環境について意見交換し、資料を入手した。次にイギリスに移動し、移行経済研究の専門家であるサセックス大学社会科学部のデーヴィド・ダイカー教授を訪問し、意見交換した。そして、グリニッジ大学で開催された国際会議(7月10-12日)に参加し、東欧に関する情報を収集すると共に、セルビア、ハンガリー、ポーランドの学者から聞き取り調査を行った。 2.EU加盟まじかの中東欧諸国は、これまで「機能する市場経済の存在」というコペンハーゲン基準を満たすために国内的大きな努力をしてきており、そのため、投資優遇政策と相まって、外国直接投資が大量に流入している。2007年にEU加盟が予定されているブルガリアとルーマニアは中東欧諸国と比べると、市場経済を支えるインフラストラクチャーの整備が遅れており、外国直接投資もそれほど多くない。西バルカン諸国は概して不安定な状態にあり、投資環境は劣悪である。ただし、例外的にクロアチアは近年経済改革が進み、ブルガリアやルーマニアよりも良好なパフォーマンスを示しており、EU加盟も両国に先んずる可能性もありうる。これらの論点は、2004年4月に刊行予定の拙著『EU東方拡大と南東欧の安定化』(ミネルヴァ書房)の第4章、第10章および第11章で論じた。 3.外国直接投資の流入が少ないにもかかわらず、非常に良好な経済的パフオーマンスを示しているのがスロヴェニアである。これは、この国は高い技術力・人的資源、等をもつことによって説明されると思うが、今後もっと研究してみる必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koyama, Yoji: "Banking System Reform in FR Yugoslavia as a Part of Stabilization of South Eastern Europe"Proceedings of the 5^<th> International Conference "Enterprise in Transition", held by Faculty of Economics, University of Split. 296-298 (2003)
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[Publications] Koyama, Yoji: "The Transition to a Market Economy in the Successor States Former Yugoslavia : Differences of North and South"Working Papers (published by Institute for World Economics, Hungarian Academy of Sciences). No.135. 1-42 (2003)
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[Publications] Koyama, Yoji: "Trasition in Croatia"Ekonomski Pregled (Journal published by Croatian Economic Society). Vol.54, No.11-12. 979-998 (2003)
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[Publications] Koyama, Yoji: "South Eastern Europe in Transition : A Quest for Stabilization of the Region after the Breakup of the Former Yugoslavia"Graduate School of Modern Society and Culture, Niigata University(新潟大学大学院現代社会文化研究科). 224 (2003)