2004 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における基礎コミュニティ・自治機能の実態と今後の在り方
Project/Area Number |
15530217
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
平岡 和久 高知大学, 人文学部, 助教授 (70259654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 泰 高知大学, 農学部, 助教授 (60263969)
玉里 恵美子 高知女子大学, 社会福祉学部, 助教授 (40268165)
水谷 利亮 高知短期大学, 社会科学科, 助教授 (00310897)
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Keywords | コミュニティ / 地区 / 自治体 / 住民組織 / 狭域行財政 / 中山間地域 / 自治機能 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、主に基礎コミュニティ・自治機能の調査として新たに2市村の調査を行った。広島県安芸高田市の場合、合併後の地域自治機能のあり方を追求する事例として注目しうるものであり、旧高宮町の地域振興会を合併後の全市に広げ、市の自治振興部を中心としながら、新たに地域自治組織を育成していく点に特徴がみられる。宮崎県諸塚村の場合、非合併自治体として、戦後から、自治公民館を中心とした地域自治組織が継続しており、役場との両輪ともいうべき重要な役割を持っていることが明らかとなった。また、昨年度に引き続き、長野県阿智村において住民アンケートを実施した。 今年度は、昨年度に実施した泰阜村と本由町の住民アンケート調査の分析を行い、以下のような分析結果となった。第一に、中山問地域における地区組織は、行政の下請けといったイメージにも関わらず、それにとどまらず、集落コミュニティを基盤とした地域づくりに関して中心的な役割を担っているということである。第二に、泰阜村や本山町ではまだ少数ではあるが、ボランティア団体、NPOなど機能別の自主的住民団体の発展可能性が高いことである。第三に、中山間地域では、機能別の自主的住民団体と地区との関わりが深いことである。第四に、中山間地域自治体において、これまで役場が担うべきと考えられていた活動に住民の参加意欲が強く、かつ、地区が中心となって担うほうがよい領域が多くあるという意見があり、地区住民と行政の協働による地域的公共性の確保の可能性が大いにあると考えられる。第五に、現在の地区のあり方には財源、担い手、および民主主義のあり方について大きな課題があることである。
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Research Products
(4 results)