2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530238
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 房雄 広島大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (90104869)
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Keywords | 都市近郊 / ドイツ / ベルリン圏 / 農村社会 / 都市化 / 土地所有 / 都市農村連続体 / 地方自治 |
Research Abstract |
「ドイツ・ベルリン圏における都市化と農村社会の相関」をテーマとする今年度の研究の経過と成果は、およそ以下のとおりである。(1)主として図書館調査に基づく図書整備については、とりわけ「ベルリン圏の都市近郊農村形成の前史と背景」に注目して、ベルリン国立図書館・ベルリン自由大学図書館そしてベルリン・フンボルト大学図書館を中心に、2005年2月に出版した著書『ドイツ都市近郊農村史研究-「都市史と農村史のあいだ」序説-』の達成水準に継続する文献検索と収集を行い、W.クーン、E.ミュラー・メルテンス、さらに、B.ツィエンタラ等の基礎的文献を精読した。(2)研究成果としては、「近世ドイツにおけるクライス制の展開-ベルリン近郊郡テルトウの実態に即して」ならびに「近世ドイツ東部定住地耕区の諸類型-エッシャー説整理の一試論」と題する二つの論考を執筆するとともに、ドイツ・アイヒシュテット大学で行われた国際シンポジウムにおいて、"Urbanisierung und die Vorortgemeinde unter besonderer Berucksichtigung des Kreises Teltow um Berlin"を口頭発表し、ここ数年間にわたるドイツ史研究のさしあたっての成果を発信した。 2006年度は、「ベルリン圏における都市化と農村社会の相関」に関する当面の研究の最終年に当たるため、一方において、ベルリン圏への止目を継続しながら、時期的対象を第二帝政期に限定することなく、ワイマール期からナチズム期にまで延長して、よりいっそう永いタイムスパンのもとで当該のテーマを追求するとともに、同時に他方では、ベルリン圏のみならず南ドイツにも止目して、「ドイツ都市化の諸類型と南北比較」の実証研究に進むという二段構えの計画を構想することによって、さしあたりベルリン文書館における未公刊一次史料の発掘と解読から始めて、研究範囲の時空両面にわたる内在的かつ必然的な拡大・深化の作業を行う予定である。
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Research Products
(2 results)