2005 Fiscal Year Annual Research Report
近世ドイツの商業都市とヨーロッパ国際商業に関する研究
Project/Area Number |
15530240
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Research Institution | Nagasaki Prefectural University |
Principal Investigator |
谷澤 毅 長崎県立大学, 経済学部, 助教授 (00288010)
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Keywords | ドイツ / 商業都市 / ハンザ / 国際商業 / リューベック / ハンブルク / ライプツィヒ / 国民経済 |
Research Abstract |
平成17年度は、これまで本研究の中心をなしてきたリューベックの商業に関する研究に加えて、近世のハンブルクとライプツィヒに関する研究のとりまとめを行なった。研究成果として公表された論文は以下の二つである。(1)「ハンザ後期のリューベックとバルト海地域」、(2)「中世後期・近世初頭におけるハンブルクの商業発展と大陸内商業」。まず(1)は、昨年度「市場史研究会」において報告した内容を論文に取りまとめたものであり、14世紀から17世紀までのリューベック商業の長期的な動向と変化について、同市を中心とする市場圏という側面から分析を行なった。(2)は、ハンザ後期のハンブルクの商業について論じている。大西洋経済の時代にリューベックとは対照的に大きく発展していくハンブルクのヨーロッパ国際商業内部での役割について、ヨーロッパ大陸内部との取引関係に焦点を当てながら検討を行なった。またライプツィヒについても、同市のハンブルクとポーランドとの取引関係に焦点を当てながら、ライプツィヒ大市の東西ヨーロッパ接続機能を浮き彫りとしながら、この都市のヨーロッパ国際商業内部における役割について検討を行なったが、この成果についてはまだ公表はされておらず、本研究の成果報告書のなかで(第4章)公表される。 さらに昨年度は研究の最終年でもあるので、研究成果報告書の取りまとめも課題の一つとなった。その内容は、これまで公表した論文とライプツィヒに関する未刊行の成果を合わせて本論としたものであり、また結論部分においては、ドイツ国民経済の形成を視野に入れて、本研究で扱った商業都市のドイツ国民経済に関するわが国での議論の中での位置づけについて触れ、これらのいわゆる「ハンザ・メッセ都市」をもっと積極的に評価していく必要がありはしないかとの見通しを述べた。
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Research Products
(2 results)