2004 Fiscal Year Annual Research Report
企業文化におけるジェンダー・エクイティと障害者雇用(ヒューマン・ライツ)の関係-ジェンダー・エクイティ・マネジメントとヒューマン・ライツの整合性をめぐって-
Project/Area Number |
15530274
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Research Institution | Gifu Keizai University |
Principal Investigator |
斎藤 悦子 岐阜経済大学, 経済学部, 助教授 (90298414)
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Keywords | 企業文化 / ジェンダー / 障害者雇用 / 企業の社会的責任(CSR) / ダイバーシティ / 企業の社会貢献 / コンプライアンス / ワークフェア |
Research Abstract |
本年度は、ジェンダー・エクイティと障害者雇用という2つの側面から、以下の3点を明らかにすることに取り組んだ。1、企業内のジェンダー・エクイティを企業文化論的手法によって詳細に検討。2、企業の社会的責任や社会貢献の基盤となるヒューマン・ライツの要素として、障害者雇用を取り上げ、企業内の実態を解明。3、企業内のジェンダー・エクイティの度合いと障害者雇用の問題を照合させながら、その矛盾点や問題点を分析。研究方法として、SPSSによる昨年度実施のアンケート調査の詳細な分析、企業へのインタビュー調査が用いられた。 本年度の研究により得られた知見は、1、企業内のジェンダー・エクイティについては、企業の社会的責任や社会貢献と関連づけて取り組む企業が増加している。それは、多様な働き方やワークライフバランスを企業姿勢として表すことと関係する。2、障害者雇用への取り組みは一部の企業を除いて停滞している。3、企業におけるジェンダー・エクイティの状況と障害者雇用への取り組みは、企業理念、企業倫理と大きく関係していた。本研究では、アンケートとインタビュー調査から企業倫理を10分類し、その特徴とジェンダー・エクイティや障害者雇用との関係を導き出した。その結果、障害者雇用率の高かったのは「社会的理念追求型」と「行政指導遵守型」の企業倫理を持つ企業であった。また、企業内のジェンダー・エクイティ実践や障害者雇用の促進において、重要な作用をもたらす要因は、企業内にコンプライアンスが存在し、それに従う人事管理がなされているかいなかであった。 これらの研究結果は、日本社会福祉学会第52回全国大会(2004年10月10日)において研究協力者(中野純子)と共に報告した。報告タイトル「企業の社会的責任・社会貢献としての障害者雇用、ジェンダー・エクイティマネジメント」(斎藤、中野、伊藤)「障害者雇用を促進する企業倫理」(中野、斎藤、秋山)。
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Research Products
(2 results)