2006 Fiscal Year Annual Research Report
社会科学における民族誌的手法の体系化と深化に関する実証的研究
Project/Area Number |
15530320
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
佐藤 郁哉 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (00187171)
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Keywords | 民俗誌 / 文字テキストデータ / QDAソフトウェア / 社会調査 / 解釈学的転回 / 質的データ / 量的データ / 現場感覚 |
Research Abstract |
平成18年度は、過去3年間の研究成果を踏まえて、民族誌調査の「現場」における実践の詳細について検証し、多様な現場調査に見られる共通点と相違点の双方を浮き彫りにしていくことを通して、民族誌調査に関する体系的整理をはかった。また、平成17年度に引き続き、現場観察の結果をまとめたフィールドノーツと聞きとり記録の電子データベース化の具体的な技法とその基本的な発想について明らかにすることにつとめた。その作業においては、特に民族誌的調査ないし定性的調査一般における文字テキストデータのモデルケース的な処理法を明らかにし、それを次世代の研究者の養成に生かすことを目指した。(その成果については、本務校における授業実践に生かすとともに、学会・講演等で随時紹介してきた。) 実証調査をおこなう上で特に力点を置いたのは、以下の3つのトピックである。 (1)テキストデータ処理の方法の体系化と教授法についての授業での実践を踏まえた検討とマニュアルの作成 (2)定性データに対するコーディング及び分析モデルの作成法に関するバリエーションとその背景についての検討 (3)海外における民族誌的調査に関する方法論の教授法についての聞きとり調査(現場観察の結果の記録法の実習過程に重点を置く) 平成18年度は最終年度であるため、4年間にわたる本研究の結果を総合し、その最終的な成果をまとめることを念頭において作業を進めた。その成果は、2冊のテキストブックおよび入門書として結実した。
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Research Products
(2 results)