2003 Fiscal Year Annual Research Report
北海道における少子化-地域出生力低下のシステム・ダイナミック・モデルの構築
Project/Area Number |
15530335
|
Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
原 俊彦 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (00208654)
|
Keywords | 少子化 / 地域人口 / 北海道 / シミュレーション / システムダイナミックス / 低出生力 / 都市化 / 少子化対策 |
Research Abstract |
今年度は、第一段階として、合計特殊出生率、人口動態指標(出生率・死亡率・婚姻率・離婚率・乳児死亡率・死産率)、婚姻指標(平均初婚年齢・生涯未婚率)などの長期動向と、2000年の国勢調査や人口動態統計を利用し、少子化の近接要因の特徴を明らかにした。主な知見は以下の通り。 1.1974年以降、全国・北海道・東京都・札幌市は並行して低下しているが、全国を1とした場合、北海道全体が概ね0.9で推移しているのに対し札幌市は0.8を切り東京都の水準に接近している。 2.2000年の合計特殊出生率は札幌市が1.07で13大都市中、東京区部の0.98についで低い。札幌市以外の道内他地域は1.33とほぼ全国値の1.35に近いが、13大都市以外の全国他地域の1.41と比較し低く、必ずしも札幌市の低出生力のみよるものとはいえず、試算の結果、札幌市の年齢別人口シェアの影響は-0.01程度と限定されたものであることがわかった。 3.他の大都市が35歳から全国値より高い晩産型を示すのに対し、札幌市はすべての年齢階層で低い。一方、道内他地域では15歳-24歳の若い年齢層で高い出生力が見られるが、25歳-29歳以上では非常に低く、両地域とも30歳-34歳の低出生力が目立つ。 4.出生力格差の要因分解の結果、札幌市は有配偶出生率と有配偶率の寄与率がほぼ同じであり、他の大都市の格差が殆ど有配偶率の差によるものであるのに比べ特異である。道内他地域は有配偶出生率-0.11、有配偶率+0.10と格差が相殺されており他地域では見られないパターンを示している。 5.35歳-39歳の既婚女性の同居児数によりパリティの分布をみると、北海道は無子割合14.0%(全国12.0%、東京都20.8%)、1子割合が21.7%(全国18.9%、東京都24.2%)と高いが、4子以上も2.8%(全国2.6%、東京都1.6%)と高く、両極化している。
|
Research Products
(1 results)