2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者のライフコースとQOLに関する調査研究
Project/Area Number |
15530336
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
菊池 真弓 いわき明星大学, 人文学部, 助教授 (20307789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時田 学 日本大学, 商学部, 講師 (80287565)
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Keywords | 認知症(痴呆症)高齢者 / ライフコース / quality of life : QOL / コミュニケーション / 表情 / 生理心理学的指標 / 介護意識 |
Research Abstract |
本年度の研究では、認知症高齢者とその家族が抱える介護の問題点について、高齢者のライフコースと彼らの生活の質(quality of life : QOL)の関わりといった点を中心に検討を加えること、効果的な介護を行う場合に必要であると考えられる介護を行う側の問題について、最近の若年者の行動傾向を踏まえた生理心理学的実験を行い検討する。さらにこれらの問題に共通している認知症高齢者とのコミュニケーションについて、彼らの顔面表情の分析を行うことにより、彼らの生活満足度やQOLを向上する可能性と介護行動との関係についても検討を加える。 1.高齢者の家族形態と生活満足度・QOLに関する調査研究 本年度は、平成15・16年度に高齢者施設に居住する認知症高齢者を対象に、面接調査及び1日の生活に対する行動調査を実施したまとめを行った。その結果、出身地等のような彼らの慣れ親しんだ地域、産み育ててきた子ども、職業等の項目にケース記録と対象者が語るライフコースの結果の整合性がみられた。また、認知症高齢者との信頼関係の蓄積、調査員のコミュニケーション能力の向上、調査項目の設計と複数のツールの開発等の工夫が課題であると考える。 2.大学生の介護体験・意識とコミュニケーションに関する実験的研究 本年度は、昨年度に引き続き、実習を受け入れる側の問題点の資料収集・整理、一般大学生と社会福祉士等の取得希望学生に対する生理心理学的実験・資料収集を通じて、彼らの介護意識・体験に影響を及ぼす要因等についてのまとめを行った。 3.認知症高齢者の表情に関する資料収集 本年度は、グループホームに居住する認知症高齢者及び家族の承諾を得て、認知症高齢者のコミュニケーションの基礎的検討を行うために、認知症高齢者の表情表出に着目し、資料の収集とグループホームでの調査を実施した。今後は、これらの資料に基づき、生理心理学的実験・調査を継続的に実施する。
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Research Products
(2 results)