2004 Fiscal Year Annual Research Report
「ふだん記」運動の展開過程と戦後のリテラシーの変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
15530340
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
小林 多寿子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50198793)
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Keywords | ライフストーリー / 自分史 / 書く実践 / 文章運動 / 自己物語 / リテラシー / ライフヒストリー法 |
Research Abstract |
(1)「ふだん記」運動の展開の全貌を調査した。主導者・橋本義夫の全資料が残されている橋本義夫記念資料庫より「ふだん記」関係の資料を三度に分けて借り出し、デジタル記録にとるとともに分析をおこなった。とくに文章運動として立ち上がる以前の1950年代60年代に橋本義夫の「書く思想」がいかに形成され、書く実践がすすめられたのかを第一次資料の精査によってあきらかにした。また1968年の「ふだん記」運動の始まりから1971年頃までの初期「ふだん記」運動の動向を詳細に調べた。当時、八王子における文章運動としてどのような人が関わり、何を書き表したのかその実際を検討した。どのような個人的経験がいかに書かれたのかを『ふだんぎ』の作品分析によって考察し、自己表現力としてのリテラシーの実際をあきらかにした。 (2)「ふだん記」関係者のインタビュー調査をおこなった。とくに初期「ふだん記」運動を知る人たちにインタビューし、書く共同体としての「ふだん記」運動がどのようなコミュニティを生成し、書く実践に結びついていったのか、そして各個人の具体的な書く実践をあきらかにし、リテラシー変容について考察した。 (3)アメリカ合衆国の日系アメリカ人コミュニティでライフストーリーがいかに表出されているかを二度にわたって調査した。成果は論文(「語られたタクジ・ヤマシタ-日系アメリカ人一世のライフストーリー再構築-」)と日本オーラルヒストリー学会報告(「ある日系アメリカ人一世の「ライフ」-伝記的方法としてのオーラルストーリー-」)で発表し、日本との比較研究の素材とした。 (4)ライフストーリー論と伝記の社会学の視点からライフを表現すること、とらえることの社会学的検討と方法論的考察をおこなった(論文「ライフヒストリー法リバイバルと階層研究からの出発-D・ベルトーの展開」)。
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Research Products
(2 results)