2004 Fiscal Year Annual Research Report
臨床社会学の理論及び調査方法論の展開〜シカゴ学派のパースペクティブから
Project/Area Number |
15530354
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
藤澤 三佳 京都造形芸術大学, 芸術学部, 助教授 (00259425)
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Keywords | 臨床社会学 / シカゴ学派 / 社会心理学 / W.I.トマス / 自己 / 社会関係 / ひきこもり |
Research Abstract |
本研究は、「臨床社会学」の理論的、実践的な可能性を探究する目的を持つものであるが、本年度は、「臨床社会学」の理論的基盤を研究するため、第一次シカゴ学派の基礎をつくった、W.I.トマスの社会心理学の中心的は概念構成、概念間関係を図式化した。 上記に関する研究実績としては、藤澤三佳、「W.I.トマスと社会心理学の形成」(宝月誠、吉原直樹編著『初期シカゴ学派の世界』、恒星社厚生閣2004年)を作成した。 また同時に、現代社会における「臨床社会学」の実践的可能性を探究するために、上記理論を基礎として、自己論/社会的関係・社会的相互作用/社会の変化という三者の相互関係性を研究する目的で、現代社会にみられる非常に大きな臨床的現象として社会的問題としても言及されることが多い青少年の「ひきこもり」と「非行」という二現象をとりあげて調査・研究をおこなった。「ひきこもり」現象と「非行」現象は、一部で学齢期における同じ「不登校」現象として扱われることがある他は、従来、別の現象として研究がおこなわれ始められてきたが両者を比較、関連づけて研究し、「ひきこもり」者支援関連のセルフヘルプグループとして、オレンジの会、京都不登校親の会、全国ひきこもり大会の調査をおこない、また、「NPO非行と向きあう親の会」の調査をおこない、同支部「大阪、非行と向きあう親の会」の世話人として参与観察研究をおこない、平成17年度にむけて論文をまとめる作業をおこなっている。
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