2003 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設に求められる新たな専門性に関する研究―「被虐待児」への対応を通して
Project/Area Number |
15530383
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
杤尾 勲 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (20287923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 智 立正大学, 社会福祉学部, 助教授 (30258686)
村尾 泰弘 立正大学, 社会福祉学部, 助教授 (30308126)
石井 富美子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (00060682)
安藤 健一 清泉女学院短期大学, 幼児教育科, 講師
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Keywords | 児童虐待 / 児童養護施設 / バーンアウト / スーパーバイズ / 生活場面面接 |
Research Abstract |
児童養護施設では、被虐待児の割合が増え、生活の上での対応や発達援助にとどまらず、心理的な治療も踏まえた対応が必要となっている。このような状況下にあって、児童養護施設は、その役割と専門性の変革を求められている。 本研究では、4つの視点から児童養護施設の役割と専門性について検討することを目的としている。(1)児童養護施設職員のバーンアウトについて現状を把握する。(2)児童の発達状況とその変容過程について、生活場面面接を適用して現状を把握する。(3)被虐待児のトラウマ体験の治療にあたる心理職員へのスーパーバイズについて検討する。(4)家族再統合への取り組みの現状を把握する。 本年度は、(1)2名の講師(椎名敦子氏、田中康雄氏)を招聘し、施設職員との研究会を主宰し、児童虐待および児童養護施設の専門性について理解を深めた。また、この研究会は、次年度に計画している調査研究において質的アプローチが遂行できることをもねらいとして実施した。(2)施設職員との事例研究会を行ない、事例検討とともに、目的(1)、(2)、(4)の観点からも検討した。また、事例の一場面を取り上げてロールプレイを実施し、このようなブリーフセラピーが施設職員の専門性を高める可能性について検討を試みた。(3)児童養護施設心理職員との事例研究会を行ない、心理職へのスーパーバイズの検討を重ねた。(4)児童の発達状況とその変容過程について、本研究の先行研究調査データを異なった視点から分析し、調査研究の質的アプローチの方法について検討した。 次年度は、(1)児童養護施設職員との事例研究会と児童養護施設心理職員との事例研究会は引き続き回を重ね、事例研究として成果を出す。(2)本年度の実績を踏まえて、質問紙を作成し、6月から8月にかけて質問紙調査と半構造化面接調査を実施する計画である。
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