2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神保健福祉援助実習教育における評価の標準化に関する研究
Project/Area Number |
15530389
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
長崎 和則 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (90309641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大中 章 福山平成大学, 福祉健康学部, 講師 (80330695)
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Keywords | 精神保健福祉援助実習教育 / 実習評価 / 評価項目 / 評価基準 / 評価方法 / グラウンデッド・セオリー・アプローチ |
Research Abstract |
平成15年度には,精神保健福祉援助実習教育における評価に関する先行研究をレビューし,それと平行して質的調査に必要な基礎データを収集した。収集したデータはカセットテープで40本(平成15年度)である。平成15年度中に修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)に基づいた分析を始め,次のようなことが発見できた。 それらは,(1)実習項目に関しては,項目そのものがあいまいであり,実習指導者はその項目を十分に把握していない。(2)評価基準は明確ではなく,そのために学生にその基準が認知されていない。(3)想定していなかったが,評価項目と評価基準に加えて,評価について伝える方法や手順などを明らかにする必要がある。(4)評価項目,評価基準,評価方法は関連しており,全体像を実習指導者が十分理解しておく必要がある。(5)実習評価は,評価する者と評価される者との共同作業であり,上記のことを共有していることが求められる。の5つである。 平成16年度は,基礎データをカセットテープで5本追加した。平成15年度に収集した基礎データと合わせて現在M-GTAに基づいた分析を継続中であり,追加した基礎資料からは新たな概念の発見はない。 平成17年度は,これまでのデータ分析によって得られた評価に関して教員,実習指導者,学生の三者が評価について持つべき共通理解を明らかにした。そして,実習評価プロセス共有するために必要な手順を標準化することを目指した。実習学生を主体として,教員及び実習指導者がコミュニケーションにより相互関係を持ち,評価項目,評価基準,評価方法に関する共有をしていく作業に役立てるためのツールとその使用方法を作成した。このことにより,特に教員及び実習指導者がそのことを意識し,プロセスを明確に提示し,確認していくことができる。 これらの作業により生成された概念の全体像の図式化及びストーリーラインを作成し,さらに実習評価をより実効性のあるものにするためにツールをどのように活用するのかについてのプロセスが明らかになった。
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