2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の社会的アイデンティティ・人種ステレオタイプの形成過程と現代の人種的偏見
Project/Area Number |
15530396
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂西 友秀 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30165063)
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Keywords | ステレオタイプ / 人種 / 民族 / 態度 / 偏見 / マイノリティ |
Research Abstract |
1 海外からの批判にさらされ「ちびくろさんぼ」が絶版にされて8年後の1995年の資料を、2005年現在の追試実験によるデータと比較することにより、人種的ステレオタイプと偏見の経年的な変化を明らかにする。昨年(2005年)、集団実験を実施し、約300名の実験参加者のデータを得た。現在データの整理分析を行っている。 2 偏見を助長するとして1988年に「ちびくろさんぼ」が、日本で絶版になって以後、人種的な「否定的描写」「デフォルメ」は行われなくなったのか否かを、絵本・漫画・児童向け図書・漫画教材等を分析対象にして、質的に吟味した(手塚治集・石ノ森正太郎集・久松文夫集・講談社絵本シリーズ・集英社学習漫画・学研学習漫画シリーズ・学研絵本シリーズ・各出版社発行「ちびくろさんぼ」・小川未明童話集・ドリトル先生・その他)。統計的分析ではなく、事例による質的分析で実証し、論文にまとめているところである。 3 当初の計画にはなかったが、マイノリティに対するステレオタイプと現代的偏見の実相を明らかにする必要があることから、学生を対象に障害者に調査研究を実施した。結果は、「障害者関連情報への接触と介護体験が対障害者態度に及ぼす影響」と題する論文にまとめた(埼玉大学紀要教育学部,第55巻)。
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Research Products
(7 results)