2003 Fiscal Year Annual Research Report
説得的メッセージに対する自動的反応の生成についての研究
Project/Area Number |
15530405
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北村 英哉 東洋大学, 社会学部, 教授 (70234284)
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Keywords | 説得的コミュニケーション / 態度変化 / 自動的反応 / 社会的認知 |
Research Abstract |
平成15年度には、命題の真実性の認知が事前に提示しておくことで、無自覚的、自動的に上昇するかどうかを検討した。まず、テーマである自動的な反応形成について文献的な検討を行い、知見をまとめた。その成果の一部を、培風館の「社会的認知のパースペクティブ(岡隆編)」の「社会的認知と感情、行動、動機づけ」の章の中に執筆した(平成16年5月刊行予定、現在再校中)。メッセージの事前提示がある場合とない場合の効果を比較するために、7月に実験1を行った。B4用紙いっぱいに書かれた文章の中に、ターゲットとなる命題(主張的メッセージ)を埋め込み、認知的負荷のある状況で提示した。命題は感情心理学に関わる叙述であり、一般的に正しいとは言い切れない記述である。これを埋め込んだ群とこの文だけが欠けた群との2条件を設定し、提示した1週間後に、他の質問と共に、ターゲットの命題記述を実験参加者に示して、どれくらい正しい主張であると思うか、「正しい-正しくない」の7点尺度で評定させた。その結果、命題を事前に提示していた群の方が、統計的に有意により正しいと評定していた。事前提示されていたことに自覚的に気づいていた者は、約33%であり、気づいていた者とそうでない者との間に、正しさの評定に有意差は見られなかったので、無自覚であるほど効果が強いという点は確証されなかったが、事前提示の自動的効果を確認することができた。成果をアメリカの学会で発表するために論文を翻訳した。次に、映像を伴うメッセージについて検討するために、15年10月からデジタルカメラで作成した画像をいくつか編集する作業を行った。画像の性質を統制するため、予備調査として12月に、36枚の画像について画面提示し、感情価などを評定させた。現在、選ばれた画像に音声を乗せるコンピュータ処理を行って、実験2の提示刺激を作成中である。
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Research Products
(1 results)