2004 Fiscal Year Annual Research Report
母子相互作用と乳児の認知発達(遊び及び言語)に関する研究
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15530416
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
戸田 須惠子 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (70271715)
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Keywords | 乳児 / 遊びの発達 / 注視の発達 / 共同注意 / 象徴的遊び / 母子相互作用 / 認知の発達 / マイクロ分析 |
Research Abstract |
本研究は、生後5ヶ月から2歳になるまで2ヶ月毎に家庭訪問し縦断的方法によって観察し、母子遊びを通して母子相互作用の発達と乳児の認知(言語及び遊び)の発達を総合的に検討することを目的とする。平成15年度に引き続き、平成16年度は乳児の注視・遊び及び母子相互作用を中心としてデータ分析を行った。乳児の視線については1秒単位で頻度数と持続時間を記録し、マイクロ分析を行った。おもちゃを見る時間は生後5ヶ月から加齢と共に増加傾向を示した。特に、5ヶ月から7ヶ月、9ヶ月から11ヶ月の間で急激な増加を示しており、この2つの増加のピークは遊びと関連しているのではないかと考える。又、母親が持っているおもちゃへの注視は5ヶ月で最も多く次第に減少する傾向を示している。共同注意については、消極的共同注意と積極的共同注意とに分け、一つのおもちゃに母子ともに注意を向け、行動が母親主導の場合は消極的共同注意とし、乳児主導の場合は積極的共同注意としてその発達的変化を見た。消極的共同注意は5ヶ月で最も多いが、他の月齢においても多く、殆ど差が見られなかった。しかし、積極的共同注意は7ヶ月より見られ、加齢と共に増加傾向を示した。特に、13ヶ月から15ヶ月と18ヶ月から20ヶ月の間でその差が顕著であった。又、遊びの分析に関しては、11ヶ月までは、おもちゃを口に入れたり、バンギングなどが多く見られたが、それらの行動の減少と対比して、機能的な遊びや結台遊びが13ヶ月から急に発達してきている。さらに、象徴的な遊びにおいては、9ヶ月から見られ加齢とともに増加した。特に15ヶ月から18ヶ月の間の増加は著しい。20ヶ月から24ヶ月の象徴的遊びは殆ど差が見られなかつた。共同注意や象徴的遊びの増加時期は、言語も発達する時期であり、今後はこれらのデータを統合して相互の関連性を検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)