2004 Fiscal Year Annual Research Report
社会認識を促進する教材構成原理の解明に関する教育心理学研究
Project/Area Number |
15530421
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
進藤 聡彦 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (30211296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻柄 啓一 早稲田大学, 教育学部, 教授 (40134340)
服部 一秀 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (60238029)
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Keywords | 社会認識 / 歴史学習 / 象徴事例 / 命題の学習 / 社会科 / 好奇動機 / 言語教材 |
Research Abstract |
学校教育において、歴史などの科目は機械的学習に留まり、遅延事態での知識の剥落や好奇動機の抑制が指摘されている。本研究では、そうした社会科学領域の学習を事例により、有意味化するための教材構成原理の解明が目指された。すなわち、言語教材は一般に「pならば(は)qだ」という命題形式で記述できる。こうした命題を具体化する場合、従来は前件pを具体化した事例(代入例)のみが考えられてきた。しかし後件qを具体化する事例を考える必要がある場合を示し、これを象徴事例と概念化した。その上で歴史命題の学習における有意味化や好奇動機の喚起に及ぼす象徴事例の効果を検討しようとした。 研究1では、象徴事例が意外感を喚起することで学習内容への好奇動機を高める効果(第1の効果)や、他の象徴事例を受け入れやすくする効果(第2の効果)、もとの命題の理解を促進する効果(第3の効果)が明らかになった。 研究2では、社会に関する意見命題についてその命題の受容に及ぼす象徴事例の効果が検証された。その結果、象徴事例を伴った場合には、意見命題を肯定する方向で被験者の意見の変化が見られた。また、象徴事例が上位の命題と関連することが認められるか否かにより、命題の受容の程度が異なることも明らかにされた。 研究3では、歴史に関する誤認識を明らかにし、その修正を試みた。すなわち、大学生の被験者に対して明治政府の近代化政策に反対した地域を問うたが、正解である旧薩長土肥の地域を挙げ得た者は少なかった。このような誤認識について象徴事例は正解を裏づける証拠となり得るため誤認識の修正に有効だと考えられた。実験の結果、象徴事例の排除や無視の認知過程を経ない場合において、その有効性が確認された。
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Research Products
(4 results)