2004 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーション発達における発話の帰属と知的所有
Project/Area Number |
15530434
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Research Institution | KOKUGAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
斉藤 こずゑ 國學院大學, 文学部, 教授 (70146736)
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Keywords | 発話の帰属 / 発話の個性化 / 相互作用微視分析 / 著作権 / 所有概念 |
Research Abstract |
平成16年3月から平成17年3月まで:平成15年と同様な手法で、1,「相互作用行動のビデオ観察記録による行動分析、2,インタビュー・質問紙調査、3,半統制場面の観察、実験、4,文献研究、を行った。対象者は幼児を中心に、比較対象のために乳児および小学生、成人、外国語話者の資料も得た。 1,日常会話相互作用行動における話者帰属-所有方略の発達の検討:保育園の1歳から6歳までのクラスの日常の活動場面(一斉活動、自由遊び、食事)を月1回1時間ずつ縦断ビデオ観察記録し、後に微的分析した。分析の視点は、第1に、非言語行動による発話帰属方略の抽出であり、帰属方略として能する非言語行動の‘session'について調べた。第2に、発話内容の時系列的変化に関わる発話の帰属-所有方略の抽出を行い、新たなカテゴリの可能性を検討した。 2,発話の個人性情報、発話帰属-所有方略のメタ知識の発達の検討:平成15年度までの成果を基に新たな質問項目を用意し、幼児、小学生と成人にインタビューおよび質問紙調査するため、以下の2点の検討を行った。第1に、法科学的概念としての個人の所有概念(著作権、知的、私的所有権など)と、暗黙の日常的実践的概念としての発話の所有概念を比較し関係を検討した。そのため文献研究と著作権協会講習会参加により内外の著作権法関係の情報を得た。それをもとに、幼児、小学生、成人への質問項目を作成し、テスト実施した。第2に、2,で調べた暗黙の規則としてのメタ的知識と、上記1の行動レベルの発話の帰属との関係を調べるための質問項目も検討した。今後さらに、これらの結果を整理し、文献研究を加えて、平成15〜16年度の研究成果の総まとめを6月までに行う予定である。
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