2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530437
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
谷口 篤 名古屋学院大学, 人間健康学部, 教授 (10167504)
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Keywords | 漢字 / 学習 / 書字練習 / 記憶 / 漢字テスト / 漢字認識 |
Research Abstract |
本研究は、漢字の学習方法に関する研究である。本研究では、漢字の学習法として、(1)書字練習、(2)字源学習、(3)読字学習、(4)書き順アニメーション学習、(5)空書学習などの方法について比較検討し、漢字学習の効率性を高める方法を明らかにしようとするものでああった。本研究では、まず大学生を被験者として漢字学習の方法の比較、検討を行った。 我々は漢字の覚え方として書字練習をするという指導を小学生の時から多く受けてきている。この書くこととについて、楠見・高橋(1992)は、日本人の最も人気の高い覚え方の一つに「書いて覚える」ことがあると指摘している。しかし、書く行為と記憶の関係を検討した研究は欧米においても、日本においても比較的少ない。しかし、漢字学習における書字練習が漢字の記憶を促進する効果を持つ可能性を示唆する研究はあるが、自然な漢字学習という事態を考えた時、これらの研究では、必ずしも漢字学習に書字練習が効果を示したものとは言えない。そこで、本研究では、既存の漢字の構成素を組み合わせて、新たに創作した創作漢字を漢字学習の記銘材料として用いた。 本年度は,第6の実験としてこれまでの実験で用いてきた創作漢字の字画の形と画数は変えず,全体的形態を変換した疑似漢字を作成し,疑似漢字の書字練習効果を検討することとした。書字練習が漢字学習を促進した従来の実験とは異なり,本研究では漢字の書字練習は漢字学習を促進せず,むしろ学習を抑制した結果となった。 このように,学習者の漢字の既有知識を活性化しない疑似漢字では,書字練習は学習促進効果を持たなかった。 また,本年度は,一連の研究を研究成果報告書としてまとめた。
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