2005 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の子どもをもつ親の心理的ストレスと子どもの人格発達に与える影響
Project/Area Number |
15530447
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平石 賢二 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 助教授 (80228767)
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Keywords | 思春期の子育て / 親の心理的ストレス / 青年期の人格発達 / 青年-両親関係 |
Research Abstract |
<目的>平成16年度に行った面接調査および質問紙調査の結果を詳細に分析すると共に,思春期の子育てに特有な親の意識を測定するための心理尺度の開発を目的とした。 <研究成果>以下の2つの観点から研究を行った。 1.思春期の子育て意識について 面接調査を通じて得られた母親の語りを,(1)子育てにおいて心がけていること,(2)子どもの思春期的変化に対する認知と感情,の2つの観点から特徴的な発言を抽出し,整理した。その結果,思春期の子育てで心がけていることとして,「子どもの自我の尊重」「威厳ある姿勢」「適切な心理的境界」「感情統制」の4つの側面が抽出された。また,これら4つの側面を測定するための30項目からなる心理尺度を開発した。 次に,子どもの思春期的変化に対する認知・感情は,肯定的なものと否定的なものとが抽出された。そして,これらを測定するための20項目からなる心理尺度を開発した。今後はこの尺度を用いて大規模な質問紙調査を縦断的に行い,これらの側面が個人のなかでどのように構造化されているのかを検討することが課題である。 2.親子間コミュニケーションに関する母子相互の認知について 母親と子どもの双方が認知した親子間コミュニケーションは,子どもの母親に対するコミュニケーションの特徴(独自性と結合性)では母子間で有意な相関が認められるが,母親の子どもに対するコミュニケーションの特徴については,母子間で有意な相関は認められず両者の認知にずれがあることが示唆された。
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